『巨人のいる街』
□第十一話 理屈と根性
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次の日、運命を決める再試験が行われた
ゴォォォォォ…
風が吹き荒れ枯葉が飛んで行く
広い訓練場に茶色い塊があるように円になって囲む
「ッ……」
手に汗をかき遠くからエレンの成功を祈る
自分の隣にいるミカサとアルミンも固唾を飲み成功を祈っている
大勢に囲まれるなかエレンだけ教官の方を向く
(これが失敗すれば…開拓地…)
教官はジッと威圧ある目でエレンを見つめる
その視線にエレンは緊張をさらに高める。
(絶対に失敗できねえ…!!)
『エレン・イェーガー、覚悟はいいか?』
キース教官はエレンの覚悟を聞く
『はいッ……!!』
大きく返事をし、意を決するエレンは装置のワイヤーを腰のベルトにつける
やる…!俺はやる!
俺には素質がねぇかも知れねぇけど…根性だけは誰にもまけねぇ……!!
『始めろ!』
(いよいよだ)
緊張がエレンの身体を支配してゆく大きく息を吸い込む
キリキリキリ
レバーを同じ新兵のワグナーが回す
チャリ…
ワイヤーが徐々に上がり足が地から離れてゆくなかエレンは思う
理屈なんかしらん
根拠も無い
(でも…俺にはそれしかねえッ……!!)