『巨人のいる街』

□第十話 素質と努力
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高い崖がそびえ立つ訓練場

各ポイントにブランコのような 形をした姿勢制御装置が設置されている

今日はバランスを操る姿勢制御訓練だ

立体起動を操ることに大事な訓練になる

『まずは貴様らの適性を見る!
両側のローブを繋いでぶら下がるだけだ!!』

整列する訓練兵にキース教官が怒鳴るように話す

『これができない奴は囮にも使えん!開拓地に移ってもらう』


(開拓地だけは何が何でも御免だ…)

教官の言葉に固唾を飲むとアザレアは手を握りしめる


(こんなとこで足止めを食らうわけにはいかない…!)


「これはまだ初歩の初歩だがこの段階から立体起動の素質は見てとれる』


(絶対上手くこなすぞ!!)

装置の数には限りがあるため順番に名前を呼ばれた兵から訓練開始だ

自分の前の列の人が名前を呼ばれた名前を呼ばれた兵士は緊張したように前にでていった

(次は私の番か…)

緊張し周りの訓練している兵士を観察していると



『見ろ…あの子だ全くブレが無い…』

『何をどうすればいいのかわかるのだろう…素質とはそういうものだ』


教官達の声がした振り向くとある方向を指差していた


その方向をたどるとミカサがいた



「ミカサ、凄い…」

ベルトで身体を支えるピタリと姿勢を保ち全くブレることなくバランスをとるミカサ皆ミカサの方を見て歓声を口々に囁く


(ミカサに負けてられないわ)



『次、ウララ・アッカーマン』

「はい!」

(いよいよ私の番だ…!)


ゆっくりと装置の前に近づくと息を整え気を引き締める

ベルトをつなぎレバーを上げてもらう合図をおくる


キリキリキリキリ

レバーの回るおとがすると足がすこしづつ地面から離れてゆきベルトに力が加わる


一気に緊張感が身体を支配する


「………。」



集中しろ…

力を操れ…!



「ふッ……!」



息をはき下半身の力を抜き背中にグッと力を込めるとグググとベルトが軋む

まだ体がグラつき震えてる

(ミカサのやり方を思い出せ…)

「ッ……!」

(ピシッとベルトが張るのを感じたポイントで止める…!)


グッ………
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