黒き獅子と銀黎の狼
□プロローグ
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初めて彼を見(まみ)えたとき。
まるで獅子のようだと思った。
一見、静かに見えても、瞳の奥には強い意志が燻(くすぶ)っている。
見てみたいと思った。
黒き獅子の、本当の強さを。
知りたいと思った。
彼の抱えている闇を。
癒してあげたいと思った。
心に負ってしまっている傷を。
彼のすべてを護りたい。
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