伊予の戦女神

□其々ノ刻
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「今、龍神とか八葉について話してたんですけど…」




そこから望美ちゃんも譲も、真剣な面持ちになって八葉のことや龍神のことを景時殿や朔ちゃんに訊き始めた。その真っ直ぐな眼差しに、朔ちゃんも景時殿も真摯な態度で応えてあげている。

僕は早る鼓動を抑えようとふ、と短く息を吐いた。

聞き耳をたてることに飽きたわけではないが、僕的には八葉も龍神もとっくに調べ上げているから星の一族の話を一番聞きたい。白龍の話から推測するとおそらく星の一族は神子の補佐のような存在だったことがわかるが、それ故に文献が少なすぎる。

だから…



「(星の一族が何者なのか気になってしょうがない…!あぁもう早く言っておくれ、景時殿!)」


「―――龍神や八葉のことなら星の一族に聞いてみたらどうかな。龍神の神子に仕える一族なんだから、きっと詳しいよ」


「な…っ(えー!?景時殿も知らないのかい!)」



思わずギギギと柱に爪をたててしまい、慌てて爪を離す。

…最終的に他力本願か。




「居場所がわかるんですか?」

「俺も知ってるわけじゃないけどね。京に住んでる貴族なんだから調べはつくと思うよ」


「(やれやれ…)」




これ以上この場にいても得られる情報は無さそうだ。

俺が責任を持って探してあげるよ、と曖昧に笑ってそう言った景時殿を横目で見た後、気配を悟られぬよう素早くその場を離れた。

先程来た道を戻りながら、チラッと桜の木の影を一瞥する。周囲に人の気配が無いことを確認しながら、口を開いた。




「………碧海、いるかい」

『………』



誰もいない渡殿で一人喋っている僕の姿は、はたから見れば異様だろうなぁ。




「悪いんだが京にいるという、星の一族の居場所を探し出しておくれ」




多分景時殿よりもお前の方が早いだろう、と言い終えるや否や、一瞬だけ桜がサワ…ッと不可思議に揺らぐとすぐに静けさを取り戻した。

懐に入れていた扇を取り出すと、肩にパシッと当て溜め息を吐く。




「…これは貸しだよ、景時殿」



視界に入った長い金髪を邪魔そうに耳にかけると、グッと腕を伸ばした。紫の衣が揺れる。

しゃらんと月の簪が可愛らしく鳴いた。



…そういえばさっきまで眠かったんだよなぁ…。





「(じゃあ今から…)」





昼寝でもしようかな、と自室に戻る

臥街月編(敦盛)…3P〜
居待月編(九郎)…7P〜
残月編(弁慶) …9P〜
朧月編(将臣) …12P〜



折角だし誰かを捕まえて暇潰しするか、とその辺をうろつく。

霧雨編(朔)  …作成中
驟雨編(景時) …作成中
業雨編(望美) …作成中
春雨編(ヒノエ)…作成中
夕立編(譲)  …作成中


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