掛け合い企画

□「歯ブラシを植える犬」台本
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次男
「でっ…でもさ、オレは間違えたと思う!」

次女
「いつも中流意識を重んじるのに珍しいね」

次女の言葉は次男に重く突き刺さる。

長男
「俺が考えるに、母さんがいきなり思い立って父さんの歯ブラシを植えるという奇行に走って…」

三男
「それをすっかり忘れてポチがやったと思い込んでいる…とか?」

長男
「そうだ。よく分かったな」

三男
「えへへ…」

長男に頭を撫でられる三男の顔は幸せ一杯な表情だった。

長女
「でもさー、やっぱり私的には老衰の方が有力よ。私が小さい頃から居るもの。長生きし過ぎよ」

次女
「なんでお姉ちゃんは老衰をそんなに推すの?」

長女
「そっちの方が面白そうだからよ」

長男
「お前ホント面白い事大好きだな」

次男
「この人について行けば面白い事ばっかり起きるからオレは姉ちゃん側に付く!」

三男
「結局中流意識から離れる事は出来なかったみたいだね」

長男
「…言ってやるな」

次女
「あ、本格的に落ち込んじゃった…」

次男は部屋の隅っこに移動し縮こまり、
床にのの字を延々となぞり出す。

次男
「どうせオレは中流意識の塊だよ、自分では何一つ決められない優柔不断だよ、どうせ…どうせ…」
 
長女
「誰もそこまで言ってないんだけどね」

三男
「加えて沈んだらとことんネガティブ街道まっしぐらだよね!」

長男
「次男には手厳しいなお前」

三男はにこやかに毒を吐いた。

次男
「お前ら…オレの事嫌いだろ」

次男は次女と三男を交互に見やり呟く。

三男
「うん」

次女
「好きでも嫌いでもないかなぁ」

次男
「…きっぱり言われんは勿論キツいがどっちでもないと言われるのもな…」

次男から流れてくる重い空気によってしばらくの間会話は絶たれた。



長男
「あのよぉ…凄い今更なんだけどな」

長女
「どうしたのよ」

長男
「こんな論争を繰り広げなくてもよ、最初からポチを確認しに行けば良かったんじゃね?」

次男
「ああ…」

次女
「確かに…」

長女
「それは言えてるわね…」

三男
「あはは…」

しばらく長男以外が固まった。



次男
「よっし、そうと決まればポチを見に行こうぜ!考えが正しかったら方に負けた方がアイスを奢れ!」

長男
「いつからチーム対抗戦になったんだ」

三男
「ボク達凄く不利だよね」

次女
「アイス…良いかも」

長女
「アイスの為にいざ行かん」

今までの話し合いはなんだったんだ。
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