掛け合い企画

□「歯ブラシを植える犬」台本
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※「」台詞
※()心情


ここはとある一軒家。7人の家族+1匹の飼い犬の日常。


「なあ母さん、俺の歯ブラシ知らないか?」

父は自分の歯ブラシが無い事に疑問を抱き、庭の花と畑に水やりをしている母に問い掛けた。


「あら、あなたの歯ブラシだったら、ポチが土に植えていたわよ?骨と間違えたのかしらね」

母はくすくす笑いながら言った。


「なんだって…!?」


「事実よ〜。なんで埋めないで植えたのかしらね」


「いや突っ込む場所違うから!…もう良いや、新しい歯ブラシどこだ?」


「洗面台のタンスの2段目…あら3段目だったかしら?自分で確かめてね♪」


「聞いた意味がまるで無い…!」

父はとぼとぼと歯ブラシ探しに出掛けた。

長男
「いやいや、なんで犬が歯ブラシと骨を間違うんだよ」

長女
「知らないわよ。ポチはもう年だし…間違えたんじゃない?」

次男
「はいはーい!オレ間違えたに一票!」

長男
「お前らなぁ…」

長女
「だよねぇ?きっと間違えたのよ!」

次男
「そうそう!オレはポチを信じるぜ」

長男
「はあ…」

父と母の会話を聞いていた子供達の無意味なバトルが幕を開けた瞬間だった。
 
次女
「みんななんの話をしてるの?なんかお兄ちゃん疲れた顔してる…」

次男の無駄にデカい声を聞きつけたのか、次女がひょっこりと現れた。

長男
「なんでもない、なんでもないよ…」

次女
「…嘘ね」

長女
(なんでかこの子、普段は天然記念物な癖に時々無駄に鋭いのよね)

次男
「なあなあ聞いてくれよ!ポチがさぁ、父さんの歯ブラシを大好きな骨と間違えて庭に植えたらしいぜ!」

次女
「え…?」

次男の言葉にキョトンとする次女。
少し考えて口を開いた。

次女
「埋めたんじゃなくて植えたの?」

長女
「ツッコミ所はそこじゃないわよ」

次女
「それはそれで面白いね!」

長男
「お前まで…!」

長男は顔には出さないが悲しみに暮れた。誰一人自分の味方が居ないという事実に。

三男
「…えい」

次男
「ちょ、あはははは!こちょばしやめろって脇はやめろってば…!」

突然三男は長男の背後からのそりと現れ、次男に気配を消して近付いて全力でくすぐった。
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