詩U

□別れの瞬間
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主よ

我が主よ


火照った体もそのままに

血走る瞳を青く染め

純白とも言えるほどに
ふやけてしまったその爪で

この赤肌を
隈無く

汚してくれれば良かったものを


嗚呼、主よ

言葉を忘れ

姿が見えず

我さえをも感じない


それほどまでに狂ってしまったのなら



どうか、最期に


息を吐く間もない接吻を



餞別の花束の代わりに


我が、主よ



fin.
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