Fake Blue
□NO7. 女神の足下
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「ぁあ!?なんだってぇえっーー!!!」
「す、すいません!!」
バレットの声の大きさに、宿の主は平謝りした。
「怒鳴らないでよ、バレット」
「だがよ、ティファ」
「おじさんのせいじゃないよ」
翌朝、この辺りのモンスター退治を申し出たバレットだが(勿論有料だ)主に、にべもなく断られてしまった。
カームはミッドガルに近いが、静かで落ち着いている。そのせいか神羅の重役の別荘が幾つかあった。それもあって、モンスター退治は頻繁に行われており、この近辺にはあまりいないからだ。
「頼まれて、よく退治に来るのよ。ごめんなさいね、バレット」
しれっと言う エレノアに、バレットは頭を抱える。モンスター退治が、いちばん手っ取り早く金が稼げるからだ。
「う〜どうすんだよ、これじゃあ宿代も払えねえし、弾丸が補充出来ねえぜ」
「私が出すわ」
「お前が?」
「同行させてもらうんだし、お礼がわりに」
その言葉に、エアリス、ティファ、ラティアは額を付き合わせる。
「どうする?」
「文無しじゃ、これから先も野宿しなきゃならないわよ」
「え〜お風呂なし?イヤだよ〜」
「虫とかいるのよね・・・」
3人は頷くと
「バレット、お言葉に甘えましょう。 エレノアさん、お世話になります」
揃ってペコリと頭を下げる彼女らに、バレットは口をへの字に曲げる。解雇されたとはいえ、神羅の人間に借りをつくのは不満らしい。
「 エレン でいいわ・・」
その後、宿の支払いを済ませ、武器屋で買い物をする。機嫌が悪かったバレットだが、まずまずの品揃えに満足したようだ。
食料などの買い物をすませると、村にひとつしかない自称カフェでひと休みすることにした。
店構えはともかく、茶や菓子の味は上々だ。 エレノアは、美味しそうに焼き菓子を頬張るラティアに目を細めていたが、黙り込む男性陣に顔を向ける。
「で、問題があるの」
「何だ?」
「ジュノンに向かうのはいいんだけど、足がないの」
「車は1台もないのか?」
「ないわ」
「エレン はどうやって来たの?」
「ここへ来る用事があったヘリコプターに、便乗したのよ。懇意にしてた人だったから。ジュノンに入るためにミスリルマインを越えたいんだけど、手前に広い湿地帯があるの。歩いても渡れるけど、大蛇のモンスターが住み着いていて、ちょっと厄介なのよ」
「蛇・・・」
ティファとエアリスは、とんでもないと顔を見合わせる。
「なら、チョコボで渡れば良いわ」
「チョコボなんか、カームにいるの?」
「言ったでしょ、カームの先にチョコボファームがあるって。チョコボファームって、野生のチョコボを捕まえたりするから。私、捕まえられるよ。でも、野生のチョコボは気が荒いから、出来ればファームで人馴れしたチョコボを借りた方がいいと思う」
「じゃあ、それで決まりね」