Fake Blue

□NO1.ソルジャー・クラス1st
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列車は定刻通り、駅に到着した。
プラットフォームには、2人の警備員と、壱番魔晄炉と書かれた案内板。
その列車の屋根から、3人の男女が飛び降りてきた。

「誰だ!お前たちは!?」

銃を構えようとした警備員に、男は躍り掛かる。

「ぐはっ!」

素早く鳩尾に拳をめり込ませると、警備員は地面にひれ伏した。
もう1人も呆気なく倒され、3人は改札を抜ける。
それを待っていたかのように、列車のドアが開いた。
出て来たのは、褐色の肌のやけに体躯いい男だった。
続けてドアから顔の覗かせた少女が、声を掛ける。

「バレット」

バレットは倒れている警備員に一瞥をくれると、右腕を上げて合図する。

「いいぜ、ラティア」

彼の右腕は、バレット―弾丸―の名に相応しく、ガトリングガンのギミックアームになっていた。
ラティアが列車から降りると、続いて剣を背中に持った、金髪の若い男が姿を現した。

「行くぞ、新入り。オレに続け」

バレットが声を掛けると同時に、ホームの端から新手の警備員が走って来るのが見えた。

「チッ、新手か」

「任せろ」

舌打ちするバレットを横目に、剣を手にした。

足を止めた警備員が、銃を構えるが、若い男は素早く接近し、一撃で斬り捨てた。

「死んだの?」

「いや、致命傷じゃねえよ」

「そう」

剣を戻すと、バレットたちは駅を出た。

先行した3人は,駅前でバレットたちを待っていた。
追いつくと、その中の1人、ビッグスが声を掛ける。

「さすがソルジャー。でもよ、反神羅グループアバランチにソルジャーが参加するなんて、スゲエよな」

「その話って、本当だったの?ソルジャーって言ったら、私たちの敵でしょ?
どうして、私たちアバランチに協力するわけ?」

金髪碧眼の整った顔立ちに見とれながらも、ジェシーは疑いの眼を向ける。
何も答えないソルジャーに、ウェッジが口を開く。

「早とちりするなジェシー。“元”ソルジャーなんだってさ。今はもう神羅を辞めちまって、俺たちの仲間ってわけさ。
そういや、まだ名前を聞いてなかったな。教えてくれよ」


「・・・クラウドだ」


抑揚のない声が、名を告げた。



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