シネマコンプレックス
□第9幕 Escape
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冷たい床の感触に、スコールは瞼を上げた。
ーーーここは?俺は・・・イデアと戦って・・ひどい傷を・・・?
ーーー傷がない・・何故・・・?俺たちは、取り囲まれた。ガルバディア兵ーーそうだ、サイファーがニヤついて、俺たちを見下ろしていたーーサラ・・サラは無事か!?
上身体を起こして辺りを見渡すと、直ぐにサラの姿が目に入る。外傷は見当たらない。気を失っているだけのようだ。
名を呼び掛けた時、扉が開いた。足音も荒く入って来たのは
「サイファー」
サイファーが、銃を持った刑務官を2人従えて入ってくる。
「スコール、惨めだな」
蔑んだ目でスコールを見下ろすと、刑務官に命令する。
「う・・」
乱暴に腕を取られ、サラも目を開ける。状況を把握できないまま、部屋が衝撃と共に揺れる。
どうやら、部屋ごと上へ移動しているらしい。
脱走防止のためか?
銃を突き付けられたままだったが、スコールとサラは観察を怠らなかった。
銃を持った男たちの服装や、この大掛かりな仕掛けから、ここはおそらく刑務所だ。
部屋の大きさから見て、独房か?
ならば、ここは悪名高いガルバディア収容所だろうと推察する。
スコールとサラがアイコンタクトで頷き合うと同時に、部屋の動きが止まった。
「何が始まるか、想像できるよな?」
部屋の壁に磔にされたスコールを見て、サイファーは笑う。サラは後ろ手に縛られ、床に転がされた。すると、サイファーは刑務官に出ていけと命じる。楽しみは独占したいと。
「何がーー知りたいんだ?」
「Seedとは何だ?イデアが知りたがっている」
「Seedーーーとは?」
Seedは、バラム、及びガルバディア、トラビアに造られた各ガーデンが、世界に誇る傭兵のコードネーム。戦闘のスペシャリスト
「アンタも知ってるだろ?」
「俺はSeedじゃないーーSeedになってから知らされる、重要な秘密があるんじゃねぇのか?」
「残念ながらーーーない。あったとしても、言うと思うのか?」
「お前は、骨のあるヤツリストに入ってるぜ。簡単に喋るとは思っちゃいないさ」
「・・・光栄だな」
「だから、これだ」
「ーーーーっ!!!」
サイファーが傍らのレバーを上げると、スコールの身体に電流が流れる。
「まぁ、お前が言わなきゃーーーそうだな、サラにでも訊くか。Seed試験のレポートの題材に魔女を選んで、呼び出し喰らったらしいな」
「・・みんなも、いる・・のか?」
「あぁ、いるぜ。先生、伝令の女、チキン野郎ーーチキン野郎なんか、3秒も持たねえぜ。でも、俺はお前が大好きだからよ。こうして、一番に来てもらった訳だ。会いたかったぜ、スコール。俺の晴れ姿、どうだった?俺は、魔女のナイトになったんだぞ。ガキの頃からの夢だったんだぜ」
ーーー魔女のナイトが・・ロ・・マン・・・ティークな夢か?でもサイファー、これじゃ、ただの・・拷問係だ
「なんだってーーー?あっさり気絶しやがったのか。ここは、お前が俺への憎しみを募らせるシーンだぜ?魔女のナイトと、悪の傭兵が戦う宿命の物語。一緒に楽しもうぜ、スコール。俺をガッカリさせるな」
肩ごしにサラを見下ろすと
「じゃあ、次はお前だ」
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