頂き物
□クサい仲
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「はぁ…。」
今日の任務も終わって、女子用シャワールームで汗を流す。
アンジールさんとの任務だったのに、また失敗してしまった。
しかも″ボムにファイア系を当てて、自爆させる″という超初歩的なミス…。
それがアンジールさんの逆鱗に触れてしまったらしく、ついさっきまでお説教をされていた。
いつになったら、アンジールさんに認めてもらえるんだろ…。…あれ?隣からシャワーの音が聞こえる。
アイツ、まさか警備ロボをかいくぐってまで使ってるの…!?
今日は氷漬けじゃ済まさないんだからぁぁぁ!!
「ちょっと!!ザック――す…?」
中にいたのは、ザックスと同じ黒髪の人。でも、身体のラインが女性…ってまさか!!
「あら、アヤ。お疲れ様」
「あ…絢さん!?」
「使わせてもらっているわ」
そう言うと、絢さんはニッコリ微笑んだ。
絢さんは1stでセフィロスさんの恋人。モデルの様なスラリとした体型は、同じ女性から見ても『美人』そのもの。
でも、1stは確か専用のシャワールームがあったはず…?
シャワーを浴び終わって髪を乾かしていると、隣に絢さんが座って髪を乾かし始めた。
どどどどうしよう…!
な、何か話しかけた方がいいよね…?でも、あまり面識が無いしー
「ねぇ、アヤ」
「ぴぃぃぃ!!」
「くすっ…この後、何か予定ある?」
うわぁぁぁん!ヘンな声がでた上に、笑われたぁぁぁ!!
「特に何も…」
「これから、セフィロスの部屋で 手作り餃子パーティーやるの。良かったら来ない?」
「セフィロスさんのお部屋で?」
「うん」
「手作り餃子パーティーですか?」
「そうよ」
あの、女の子が羨む程のサラサラプラチナブロンドと、正に『美形』と呼ぶに相応しい顔立ちと翠の瞳、決して表情豊かとはいえないけれど、そこがファンのハートを掴んで離さない、あのセフィロスさんが餃子!?
「ジェネシスと…あと、アンジールも来るわよ。嫌い?」
「大好きです!!」
「へぇ〜、大好きなんだぁ〜」
「い、いえ、あの、その―――」
やだ、どうしよう!思いっ切り『大好き』って言っちゃったぁぁぁ!!
「私も大好きよ、餃子」
「へっ?あ…、そうですよね。みんな好きですよね、餃子」
うわぁぁぁ!私てっきりアンジールさんの事かと思って…!!顔が熱いよぅぅぅ!!
「じゃあ、着替えたら行きましょ」
「あ、でも―」
アンジールさんに叱られたばかりだし、ちょっと顔を合わせずらいかも…。
「はい、出発ー!」
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