Fake Blue

□NO.12 ロケットのある村
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ニブルヘイムを出発すると、ニブル山を超え北を目指す。
セフィロスが北を目指しているーーーかどうかは、さだかではない。
クラウドが、そう言い張っているだけだ。だが、闇雲に探しても見つかる可能性は低いだろう。
だから取り合えず、北に進んでいる。

「ねぇ、今日も野宿かなぁ」

ユフィが悲しく呟く。

「・・そろそろゆっくり入りたいね、お風呂」

マテリアを使って湯は作り出せるが、服を脱いで浸かる気にはなれない。

「うん、髪もちゃんと洗いたいし」

髪の汚れを気にしながら、テイファも頷く。その時、ラティアが前方を指差す。

「あれは?」

遠くに村が見えた。しかし、ラティア が指したのは村ではない。村の中に少し傾いた長い煙突。ユフィは額に手をあて、爪先立ちになる。
果たして、煙突に見えたものはーー

「スッゴい、ロケット?」

ユフィは踵を下ろしてラティア を見る。確かにロケットだ。

「どうして村にロケットが?」

「遊園地・・とか?」

「こんな辺鄙なところに?」

「エレン 、いいかげん教えてくれ」

痺れをきらしたバレットが、エレノア を見る。

「じゃあ、艇長に聞きに行きましょうか」

「艇長?」

レッドXVはエレノアを見上げる。

「艇長は、神羅カンパニーの宇宙開発部門にいたパイロットよ。世界初の、宇宙飛行士になる予定だったけど・・ちょっとした事故があって、打ち上げが頓挫したのね。それ以来、ここで宇宙に飛び立つ夢を見ながら、燻っているの。あの錆び付いたロケットは、神羅カンパニーが宇宙開発に力を入れていた頃の名残」

「まだ、宇宙開発部門て神羅カンパニーの中にあるのよね」

「えぇ、形だけね。気象情報とか役に立つし。それに・・」

「何?」

「パルマー宇宙開発部門統括が、行く場所がなくて」

苦笑いするエレノアに、テイファたちは少しだけ神羅に同情した。
そんな中、クラウドはエレノアの隣に立った。

「この村に、黒マントの男はいるだろうかーー」

「さぁ・・・」

クラウドの問いに、エレノアは気のない声で返事をした。


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