言葉

□ 孝
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あぁ、そうだった…
カカシさんは任務だった
サラサラと報告書に署名して
ただ、時間を過ごす
何だか…落ち着かない…
遥か遠くで任務を熟す
また…待つだけの自分
ヤダなぁ…
ライバルだって多いのに
僅かに俯いた…

いつも…上手く出来ない
緊張し過ぎて
知らんぷりして…
違うのに…
ニッコリ笑って、お帰りなさいって
一言、言いたいだけなのに
見上げたら…出来ない
理由は、解ってる

受付の椅子に座り
口元に手を宛てる
スッと立ち上がり
月を見ながら歩いた
ぬかるむ地面、さっきまで
降ってたな…とか
無駄な事を考えて、扉を叩いたら
憂鬱な顔で出て来た…疲れて
るんだよな…

遠慮無しで上がり込み
血液の付着した衣服や床が見えて
精神的に…グラグラした…
手当てをしますから
眠いのか、カカシさんは
返事もしない…
目の傷が…見えた
恋愛感情が…動きだす

俺はね…普段も今までも
こんな真似した事ない
それくらい、好きなんです
戸惑いながら、腕を出す
覗き込み…痛いですか…と問えば
頬…赤いよ…と言われ
もう帰りなよ…と言われた
汚れた包帯…
露出された肌…傷
を撫でた…

「好きに…して下さい」
「………」
「貴方が言ったんです…何をするか解らないって」
「言ったけどさ…」
「私は…貴方が好きなんです」
「………」
「どうぞ…好きにして下さい…何をされても構いません…」

ん……

「…カカシ、さん…」
「後悔…させてあげるよ」
「…しても良いんです…」
「…何だって、俺なんかを…」
「理由が解れば、苦労しませんよ…」

所謂…盲目的な愛って事ですよ…


〜イルカSide Fin〜
   
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