言葉

□ 恋
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あの人の気配を
感じながら考える
最初は憧れ…今は…
たった一言が言えなくて
泣きそうになる…
はたけ上忍が好きです。
また、心の中で呟いた
やっぱり…拒否されるかな…
楽に行かない恋…
僅かな期待は無駄なのか?

イルカ先生、と呼ばれて
緊張と期待
知らない素振りで振り返る
ちょっと躊躇うみたいに
握り締めた手が見えたのに
一言が出て来ない…
見上げれば…
凛とした…綺麗な顔…

浮立つ心を押さえて
首を傾げる
好きですって言えたら
告げられたら…
抜け出せるだろうか
不毛かも…知れないけど
無理かも知れないけど…
赦されない恋だけど
類を見ない程、夢中…

遠慮しないでって言われ
結局、大人しく
席に座った
手が震える…
熱が出そうだ…
平気な顔、出来てるかな
目頭が熱い…
冷酒が胃に染みる

俺は、貴方が好きです、と
この侭言えたら良い
その侭言えたら良い
途切れた会話に
飲み込む一言
ほろ酔いの俺を送ってくれた
もう…お別れか…
喜びはつかの間
廊下を歩き、勇気
を振り絞る…

ん?

「…良い、の?」

カカシさんが赤くなってる…
俺…今、何て言った?


〜イルカSide Fin〜
    
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