月光

□サウダージ〜郷愁〜
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「カカシ先生?どうしたんですか」
「ん?」
「寝ないと…任務に影響しますよ」
「ん〜…そうなんだけどな」

サクラは心配そうにカカシを眺めている

「…好きな人?」
「……うん」
「意外…です」
「そ?」
「何か、カカシ先生って
 そう云うの一切匂わないし」
「う〜ん…」
「ね、先生の好きな人って
 どんな人?」
「サクラ…」

興味津々の笑顔に
カカシは苦笑しながら頬を掻いた

「なんて云うか…純粋な人、かな」
「へぇ…これも意外…」
「真面目で几帳面で、寛容で…
 寂しがりで心配性で…泣き虫」
「先生より年下なんですか?」
「うん…まぁね、でも…
 甘えてるのは、俺の方かな…」
「本当に好きなんですね」
「うん…好き…」
「愛してる?」
「勿論、愛してるよ
 世界中の誰よりも愛してるんだ」
「……カカシ先生」
「今回は物凄く後悔した…失敗した」
「どうして?」
「だって、俺…出発前に抱き締めてあげられなかった…」

そう、俯いたカカシに
サクラが不意に…

「…イルカ先生みたい、その人」
「……サクラ?」
「え、なに?」
「どーしてイルカ先生が出るの?」
「あ…だって、イルカ先生も
 何と無くそんな感じがするし」
「……そう、かな」
「ね、先生」
「ん〜?」
「里に帰ったら、紹介してよ?」
「えぇ〜…」
「良いじゃない、減る物じゃないし」
「ん〜…考えとく」

サクラにそう告げたら
無性に逢いたくなった…

遥か東の空を見上げる

泣いてないだろうか
心配し過ぎてないだろうか

自分を想っているのだろうか

今の、自分と同じ様に…
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