月光

□SEVENTH HEAVEN
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『あの…』
『なに』
『すみません…不備が…』
『あ〜…そうなんだ』

そう言って、書き直すついでに
何やら紙に書いていた

『はい』
『不備はありません、お疲れ様でした』
『あ、それは捨てといて』

読んでも、意味が解らなかったけれど
カカシの直筆…
思わず、持ち帰ってしまった…

「…字まで、綺麗だ…」

意味は解らないけれど…

その紙を、字を眺めているだけで
こんなにも幸せになれる…

はたけカカシは凄い

男色なんて馬鹿馬鹿しい
そう、思っていた自分の常識を
たったの一瞬で変えてしまった

「…好きです…カカシさん…」

紙を引き出しにしまって
穏やかな気持ちの侭、眠りについた

「や、おはよう」
「お…は、よう、ございます」

受付で座っていると
斜め上から声を掛けられた
瞬間的に、真っ赤になる

「熱でも?」
「い、いえ、いえ…大丈夫です」
「でも赤いよ?」

スル、と額当てを取られて
少し冷えた感触

「っっ」
「熱は…無い、みたいだけど
 やっぱり少し熱いよ?」
「だ…い、じょうぶ…です」

あのはたけカカシが
自分の額に触れている…

そう認識した瞬間
血液が一気に集中する

机の下で
必死に抑えて遣り過す…

こんなの、知られたくない…

でも…好き…

好き、好き、好き、好き、好き

この気持ちには限界が無い…

カカシを見送った後
即座に厠に走った…
周りに知られたかもしれない
それでも、自分の心も体も正直で
どうしようも無かった…
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