言葉

□ 孝
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飽きもせずに…と
考えながら
刺し殺す
ただの任務
何も厭わない
跳ね返る血液
また…殺した…
闇に紛れ込み
雷雲の様な心
解ってる…任務だって…

いい加減にしてくれ
強烈な苛立ち
死にたいのか?
血に濡れたクナイ
ニッコリ笑って
人影を突き刺した
見上げた夜空には満月
流血が地を汚した

受付で報告書を渡せば
暗い顔の…中忍
好かれて無いのは解ってる
冷たい態度も慣れてる
濡れた服が重い
ふぅ、と溜息をついて
無駄な時間をやり過ごす
湯浴みしたいな…なんて、考えて


ええ、不備はありません
結構時間が経ってから
正式に受理された
丁寧にお辞儀してる…
労う言葉
返事もせずに部屋に戻り
目一杯湯に浸かった
冷静さが蘇る

俺…一体、何人
殺したのかな…
そう…考えていたら
扉を叩かれた
ノロノロと下だけ履いて、出れば
星空を背負った…中忍
もう、手当てしましたか、と
余計な心配をされた
廊下から勝手に上がり込み、医療用具
を手にしてる…

「何してんの、アンタ…」
「手当てに来ました」
「頼んで無いよ」
「はい、勝手に来ました」
「帰りなよ、俺、任務明けだから、何するか解んないよ」
「…どうぞ」
「……は?」
「どうぞ、と、言ったんです、好きにして下さい」
「意味、解ってんの?」
「それなりに…さ、手当てしますよ」
「アンタ、俺が嫌いなんでしょ?」
「いつ、言いました、そんな事」
「態度で解るよ、もう良いから帰りなよ」
「好きですよ」
「…はぁ?」
「私は、はたけ上忍が好きです」

ん?

「でも…冷たいじゃない」
「人前ですからね…早くこっち来て下さい」
「あ…うん」
「お疲れ様でした…はたけ上忍」
「…うん…」
「貴方が無事で良かった」
「………」
「はたけ上忍…」
「ん?」
「…カカシ…さん…」
「……何?」
「好きです」
「………」
「本気で、好きです」


所謂…ツンデレって奴?


〜カカシSide Fin〜
   
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