言葉

□ 誘
1ページ/2ページ


イルカ先生が
廊下を歩いてた…
反射的に追い掛けて
握った手首
呆けた様に見詰めたら
変な顔をされた…
途端…羞恥が襲う

違うんです、ごめんなさい
理由を考えながら
抜いた力
涙腺が緩くなりそうで言葉
を探す
私に…何か?と
顔を見て言われた

弱々しく
頼りなく…
冷静を欠いて
そんな自分は知らない
呟いた声は小さくて
願いを込める…
何かを…変えたいから

来週の…休み、は…
無理矢理考えた言葉
上手い言葉は出て来ない
イルカ先生が瞬きして
覗き込んでくる…
俺は…目を伏せて
暗い顔を隠した

休みは…
まだ出してませんが
怪訝そうな声
ふと、顔を上げる
恋心を見透かされそうで
得体の知れない…緊張
手首を離したら

明日なら…と
さっきより、弾む声
今日は
夕方迄の勤務ですし…
目に、俺が映ってる
見上げる瞳…
漆黒の綺麗な瞳

笑顔が向けられて
一つの…勇気
もし、迷惑じゃなければ
先生…食事でも行きませんか、と
すると…凛とした声で

「俺で良ければ」

と…答えてくれた…

嗚呼…イルカ先生
うみのイルカさん…

俺は貴方が好きなんです
恋しくて、愛しいんです

そう…言ったら
貴方は何て答えるの…


〜カカシSide Fin〜
  
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ