優夢

□Song for you
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良く有る例え。

電気が走る

そんな感じの、在り来りな表現しか出来ないけど

確かに、電気が走ったんだ…

初めてあの人に逢った時
全身に電気が走って
頭の中が真っ白になったんだ…

「すみません、カカシさん」
「誘ったのは俺なんだから、気にしないでよ」

彼の休みを調べて、買い物に誘った…

「何か探し物とか有るの?」
「あ…部屋着とか…
 俺、ジャージばっかりだから
 カカシさんみたいなの持ってないし」

照れた様に笑って
隣を歩く…

「カカシさんみたいな兄が居たら
 アドバイスとかもらえたのに…」
「ん?」
「俺、一人っ子だし…お洒落なんか興味無かったし…」

ニコニコ笑う、その顔が可愛らしい…
嬉しそうに歩くと、ピョコピョコと
括った髪が跳ねる

「俺も一人っ子だから…
 ん〜…でも、弟、とは思えないかなぁ」
「そうですか?」
「うん…どっちかって言ったら…」
「はい?」
「……いや、何も、ほら着いたよ」

出会って、半年…
食事や買い物に何度も誘って
先週、部屋に誘った…

『あ…カカシさん、この服ってどこのですか?』
『うん?』
『俺、ジャージばかりだから』

ラフなワイシャツを羽織っただけで
特別、お洒落な訳ではないが

飾らない格好よさ、みたいなモノが
彼にはあった

「…ぁ」

ふと、目に入った服…
白地で襟元に小さな黒の刺繍

手に取って、眺める…
シンプルだけど…悪くない

「イルカ」
『はい?』

少し離れた場所から返事をして
前に立った

「…ぁ」
「うん、似合う」
「本当ですか?」
「うん」

パァっと顔を明るくして
カカシを見ている…

カカシは黒のシンプルなワイシャツ
着崩しているけれど
妙な色気を出していた

「パンツは黒か…まぁ、ダーク系かな…」
「ダーク系?」
「黒とか、紺色、灰色…
 あ…でも濃い青紫とかもあうかもなぁ…」

カカシの見立てで
数着買い込み、ニコニコ笑っている

イルカと歩きながら
ふと…目に入ったパジャマ…

薄い水色…
青のラインが襟元や裾に入った
とてもシンプルなパジャマ…

「イルカ…」
「はい」
「寝る時もジャージ?」
「はい」
「パジャマは?」
「余り着ないですね」
「髪…解いて寝るの?」
「えぇ」

その声にニッコリ笑って
イルカを残してパジャマを買いに行った

「カカシさん?」
「これは、俺から」
「え…あっ、駄目ですよ、そんな…」
「あ〜じゃあ、こうしよう
 俺の部屋に置いとくから
 その内泊まりにおいで」
「……ぇ」

カカシの言葉に
イルカが耳まで真っ赤にした
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