月光

□サウダージ〜郷愁〜
1ページ/7ページ

門の前で
また、その背中を見送った…

「心配か?」
「…いえ」
「…お前も嘘を吐くのが下手だな」
「…私は…」

本当は、一緒について行きたかった
もう、自分の知らない所で
危険な目に遭って欲しくなかった

「信じてますから」
「…イルカ」
「大丈夫です…」

綱手を火影室へ送って
自分の部屋に戻った

「……」

カカシが散らかしていった部屋の中
確か…自分が渡したモノが見付からない、と
酷く騒いでいた…

「……」

窓の桟に腰を下ろして
外を眺める

西の空は赤い…
夕日が迫ってきて
今にも飲み込まれそうになる…

「…カカシさん…」

大丈夫だと
信じているのに…

身体が震える…

暁が関係していると
綱手が教えてくれた…

カカシは、以前
その所為で入院している

「…大丈夫、ですよね…」

自分の両手を強く握って
額を押し付ける…

「どうか…無事で…」

泣きながら祈りを捧げる

カカシが無事に帰ってくるように…

離れていても
自分は傍に存在しています、と

何度も、何度も
震える声で、カカシの名を口にした…
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ