月光

□満月小唄
1ページ/2ページ

クナイを片手で遊ばせて
窓際に座った…

風に、髪が靡く…

「カカシさん…気配殺すの、やめてください」
「殺した気配に気付かないでくれる?」

視線を動かす事なく
外を見詰めている

綺麗な月…

「…癖なんです」
「ハイハイ、ごめーんね」

クスクス笑いながら、自分の近くに来る

「何見てるの」
「月です…今日は満月ですから」
「ふーん…」
「月は…良いです…綺麗ですから」
「後悔してるの?」
「いえ、誉だと思います
 最強のコピー忍者に抱かれて」
「…イルカ先生…」

肩を抱かれる…
この人の、こう云う所が解らない…

噂ばかりが耳について
煩わしい…

「……」

口布を下ろす
カカシの素顔…

作り物みたいに綺麗な顔

近付く…

目はつむらない…
この綺麗な物を見ていたい…

「目はつむる物だよ…教えたでしょ」
「…見ていたいんです」
「俺の顔?」
「綺麗なモノが好きなんです…」

告げると、強引に抱き上げられて
ベットに下ろされた…

月明かりがカカシを照らす
上着を脱いでいる…

「…綺麗…」

カカシの総てが綺麗だと思える
この人は綺麗で
この世のモノとは思えない

「カカシさん…」
「ん?」
「綺麗です」
「……そ?」

目を細めて、覆いかぶさってくる…
全身、好きに触られて
唇が触れる…

「声くらい、聞かせてよ…」
「すみません…」

聞かせてあげたいのに
声が出ない…
身体はしっかり感じて
カカシの指が動くたびに濡れて行くのに

「…カカシさん…すみません…」
「ん〜?」
「俺…こんな、だから…
 愉しくないでしょう…」

カカシの指が抜ける…
虚に見上げると、一気に挿入された…

「良いよ、愉しく…なくても…」
「……」
「イルカ先生なら…良い」

カカシの顔を見詰めてから
首を窓に向ける…

綺麗な月…

手を伸ばせば、カカシに掴まれた

「…集中しなって…」
「すみません…」
「気持ち良い?」
「…解りません…多分、身体は感じてます…」

カカシに突き上げられる度に
確かに身体は反応する

「…イルカ先生…」
「………」

カカシのを締め付け、中が震える…
ドクドクと流れてくる精液

感じてるのに
心が動かない…

「カカシさん…」
「ん?」
「どうすれば、綺麗になれるでしょう」
「先生?」
「あの月や、貴方みたいに…」
「綺麗になって、どうするの…」
「綺麗になれれば…
 心が動くかも知れません…」

急に…突然に
心が何も感じなくなった
喜びも悲しみも…

「カカシさんと同じ温度に、なりたいです…」

裸の自分を抱きしめて
何度もキスを交わす

カカシの行為が解らない
ただの性処理なら、自分じゃなくても良い…

「別に、無理しなくて良いよ」
「…はい」
「いつか…解るよ…」

カカシの指が額に触れる…
睡魔に襲われる…
消えかける意識の中

カカシの声が聞こえた…

「愛してるよ…」

と…

綺麗な声が……



〜Fin〜
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ