月光

□ZERO
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「…ド畜生…」

受付に入った瞬間
思わず、言ってしまった

「あ、あの、はたけ上忍?」
「…………あ?」
「す、すみ、ませ…」

折角の任務から帰ってきたのに
目当ての人物が居なかった
それだけで怒りが込み上げ
思わず、八つ当たり

「おぅ、カカシ」
「……」
「何してんだ、おめぇ」
「煩い」
「おめぇの所為で詰まってんだよ」

ゲンマの言う通り
カカシが報告書を出さないで
受付の中忍を睨んでいる為に
後ろには長い列

「……」
「カ、確認…します、ので」
「………」

目の前の中忍は
今にも泣きそうな顔で
必死に報告書を読んでいる

「ふ…不備は、ありません
 お疲れ様、でした」
「………」

ふと、カカシから怒りのチャクラが流れていた

「……イルカか?」
「……ぁ?」
「今日、お前が帰還するって知ってんの?」
「……多分」

出発前には一応言っておいたから
多分、解ってると思う。

けれど…何だろう
物凄く腹が立った

受付に座っていなかったのが
妙に自分を苛々させた

長い廊下を歩いていると
嫌な事ばかり考えてしまう。

いつもは…
自分が帰還する日に休みだったら
門の近くで待っているのに

今日に限って、居なかった

「………」

浮気でもしてるのか?

「…いやいや;」

まさか、イルカに限ってソレは無いだろ
そう、何度も言い聞かせ様としたが
頭の中がスパークしている今
何をどう考えても無駄だった

気付けば、走り出していた…
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