甘夢

□Ever rain
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お節介な教師

最初の印象

一々小さな事でも言って来て

でも、笑うと…
酷く幼くて
自分と変わらないような感じがして

なんだか…気になって…

「サスケ?」
「……」

アカデミーの入り口に立ち尽くして
考え事をしていた…

「あー…雨か」
「……」
「お前、傘は?」
「……」

目線を併せないのは
多分、自分を子供扱いしない所為

「持って無いなら
 俺の傘使え」
「…先生は…」
「俺は良いよ」
「風邪…ひくだろ」
「お前が風邪ひくより良いよ」

ニッコリと笑われて
傘を差し出してくる…

瞬間的に
体温が上がったのが解る…

「い…いらねぇよっ」
「あっ、こら!!」

有難うが言えなくて…
なんだか恥ずかしくなって…

つい、走り出した…
足元が泥だらけになって
それでも、走った

「…っ…」

途中、一度だけ振り返って
それからは、歩いた…

自分に向ってあんなに
無邪気に笑う人は居ない

いつだって
『うちは一族』って目で
腫れ物を触る様に見て
遠巻きで…

誰も…心配なんて、しなかった…

「………」

だけど…あの人だけは違う…
自分を特別視しないし
蔑視もしない…

なによりも

『普通』に接してくれる…
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