甘夢

□セラミックガール 2
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「サクラ、ちょっと良いか」
「サスケくんっ」

サクラは嬉しそうに返事をして
サスケの言葉を待った

「お前、出掛けるなら何処が良い」
「……ぇ」
「…何だ」
「え、と…それって、デート…」

ついに耳まで真っ赤にして
恥ずかしそうにモジモジし出した

「……おい、早く答えろ」
「わ、私は…サスケくんが一緒なら、何処でも…」
「……そうか」

短めに告げて、クルリと背中を向けた

「あ、の…サスケくん?」
「何だ」
「デート…は」
「何の話だ、じゃぁな」

サクラの話は役に立たないのか?
と、考えながら、アカデミーの職員室に入った

「………」

見渡して、溜息

「どうしたの、サスケ」
「イルカ先生は…」
「教室か…図書室じゃない?」
「………」

紅に頭を下げて
教室に向かった…

「………」
「………ん?」
「…先生」
「どうした、サスケ」

夕日をバックに、イルカがニッコリと笑いかけてくれる

「その…」
「ん?」
「あ、明日…」
「明日?」
「先生…明日、仕事、か」
「いや…休みだよ」
「そ、そうか…あの…」

教科書を閉じて、サスケを見上げる…

「サスケ…どうした?」

柔らかく、優しい笑顔に
緊張が解れた…

「明日、先生と一緒に居たい…」
「俺と?」
「何処とか、考えてねぇけど…駄目か?」

真剣な眼差しに
一瞬躊躇ったモノの…

『恋はしてみたい』

そう、サスケには告げたのだ

「デートか?」
「っ……」
「デートなら、良いぞ」
「ホントか!?絶対だぞ」
「あぁ、待ち合わせは?」

メモを取りながら…

「アカデミーの前で、時間は…」
「ん〜…11時で良いか?」
「あぁ、約束だ」
「うん」

やはり、嬉しそうに出て行った…

イルカは自分の書いたメモを見詰める…

「デートか…」

瞬間、少しだけドキドキした…

こんな風に、何かを期待したのは久々で
何だか、居心地が悪い…
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