甘夢

□Next Door
1ページ/4ページ

「……暇そうですね」

思わず…口を突いた

「………そう、見えますか」
「おい、カカシ」

横からアスマが割り込んで来た

別に、苛立って言った訳ではない
思わず…言ってしまって
何と無く、引けない雰囲気になった…

「任務に命を懸けてる間も
 受付は、こうなんですかね」
「………」
「イルカ、気にするな」

アスマの手が、イルカの頭を優しく撫でた…

「はたけ上忍」
「……」
「確かに、貴方の言う通りかもしれません
 ですが…皆さんが任務に出ている間
 私達がどんな気持ちか、解らないでしょう…」
「おい、イルカも止めろ」
「特に…はたけ上忍が任務に出ている間
 私がどんな気持ちか、解らないでしょう…」
「………」

ス…と、席を立ち
カカシに一礼してから出て行った

「…今のは、完璧にお前が悪いな」
「暇そうじゃないの〜実際」
「他の奴は知らねぇが、アイツは、違うな」
「……何それ」
「まぁ…今更関係ねぇか」

と、言いたいだけ言って
アスマも出て行った…

何と無く、引っ掛かる…
イルカの態度も
アスマの言葉も

思いと逆を言った自分も…

ゆっくりした足取りで、図書室まで行くと
中から気配がする…

気配を辿れば
何かを書く音……

そっと中に入ると
1番奥…イルカが座っていた

「…先程は、失礼しました
 はたけ上忍のおっしゃる通りです」
「………」

ペンを置いて
カカシを見上げる…

先程とは違い
頼りなく、弱々しい…

「貴方が…無事で良かった」
「……っ」
「お帰りなさい、はたけ上忍」

うっすらと涙を湛えて…
あの受け付けの態度とは違う…
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ