甘夢

□セラミックガール
1ページ/2ページ

「や、お邪魔してます」
「…あのですね…」
「いやぁ〜…まさかサスケが…ねぇ」
「やっぱり、見てたんですね」
「まぁね、キスしそうになったら
 サスケをブン殴ってやる気でした」

ベストを脱いで
冷蔵庫を開ける

「カカシさん、ビールで良いですか?」
「はぁい」

嬉しそうにカカシが答えている…
適当につまみを出して
缶ビールを2本

「明日は、休み?」
「えぇ、カカシさんは?」
「俺も休み」
「…そうですか」
「ねぇ、イルカ先生」
「はい?」

缶ビールを3本程空けた時
不意に、カカシが真剣な顔になった

「俺の事も好きじゃないの?」
「……は?」
「だって、意味が解らないんでしょ」
「はぁ…そうですね」
「俺は?」
「カカシさん?」
「俺の事は、どうなの」
「どう、って…」
「好き?そうじゃない?」

余りに必死なのが
なんだか可哀想で…

「嫌いでは無いです」
「サスケとどっちが好き?」
「子供と争ってどうすんですか」
「子供じゃないよ、アイツは
 先生をそう云う対象で見てる」
「あなたじゃあるまいし…」

4本目に手をかけたら
その手を掴まれた

「俺と恋をしよう」
「………」
「俺を好きになりなさい」
「………」

酔っているのだろうか…
いや、今までカカシが酔った姿など
見た事が無い…

「俺が幸せにしてあげるから」
「カカシさん?」
「キスもセックスもOKなのに
 恋は別、なんて…もう耐えられない」

今の自分達の状況を
的確に伝えて
急に押し倒された…

「イルカ先生…恋をしようよ」
「……」

真剣に伝えているのは解る
解るけれど…

「俺、良く解りません…
 人を好きになるって意味」
「…俺が教えてあげるよ」
「恋はしたいけれど…
 カカシさんじゃ無いかも知れないでしょう?」
「それは、そうだけど…」
「今のままじゃ、駄目なんですか?」
「正直、切ないです…」

その先の言葉は聞けなかった…

「…恋をしよう…か」

隣で満足げに眠る男の顔を眺めて
先の行為に何の意味が在るのか
それを考えていた…

「…恋はしてみたいのになぁ」

心の何処か一部分が
その件に関しては動いてくれない…

「カカシさんもサスケも
 同じ位に想ってる、じゃ駄目なのかなぁ…」

ボソリと呟いて
隣で寝息を立てるカカシの顔を眺めていた…

〜Fin〜
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ