甘夢

□かわいい人
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「イルカ先生…愛してます」
「……」
「イルカ先生だけです」

そう、今にも泣きそうな瞳で
たどたどしい口調で

エリート天才、里の最終兵器
『はたけカカシ』が

中忍で、男の自分に告げた

「…はたけ上忍、それは
 どのような意味でしょうか…」
「あ…の、友人とかでは、なく…です」

あの『はたけカカシ』が
自分に欲情する…

それを認識した瞬間
嫌悪感ではない何かが、背筋を伝った…

「すいません…急に、こんな…」
「………」
「気持ち悪い、ですよね…ホント、すいません」

あんなに凄い人が
自分の前で萎縮している

「……っ」

これは…なんとも言えない快感
木の葉イチの色男が
こんな変哲もない、平凡な自分に欲情する

その姿を想像すると
膝が震えて、咽が渇いた

「気持ち悪く無いですよ
 ちょっと、驚きましたけど」
「………」

そう答えると、パァ…っと顔が明るくなる

「俺で、良いんですか」
「はい」
「ホントに?」
「イルカ先生だけが、良い」

必死に告げてくるのが
妙に可愛く思えて

「俺で良ければ」

そう…伝えた…


カカシと付き合いだし、その話は直ぐに里中に知れた
恐らく、カカシの態度があからさまだからだろう

「イルカ先生っ」
「はい?」
「あの、今日は何時に終わりますか」

受付の時計を眺めて

「あと20分です」
「一緒に帰りましょう」
「えぇ」

報告書を受け取り、相手に笑いかければ
斜め前で待つカカシが
物凄く悲しそうな顔をする
それがまた、可愛くて仕方ない

「カカシさん」

手招きして、隣の椅子を薦めると
大人しく座って
ジッと見詰めてくる…

こんな事をしていれば
嫌でも解る。
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