「リューグーっ!!」

遠くから姫の声が聞こえた。
そっちを見てみれば俺の方に向かって走ってくる姫が見えた。

「どうした?」

「…っ、リューグはさ、あたしのこと好き?」

「…いきなり、何だよ」

「だって最近、リューグ冷たいもん」

…俺が優しい時なんかあっただろうか。
自分自身のことはよくわからない。

「だから、嫌われちゃったのかなって」

「そういうワケじゃねぇよ」

「じゃあ、好き?」

「…好きだぜ?」

俺がそう言えば姫の表情は明るくなった。

「…兄貴の次に、な」

「は?リューグってロッカのこと、そんなに好きだったっけ?」

「さぁな」

そんなの本当は嘘だ。
でも、お前が一番好き、だなんて、言ってやらねぇ。




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