スラムダンク A
□友達じゃなくて
1ページ/8ページ
「なぁーにリョータ、またフラれたんだって?」
「理緒・・・ったく、いつもどこで聞いてくるんだよ」
「さぁね♪」
呆れたように言うと、理緒はからかい口調で笑って言った。
隣の席になってよく話すようになった、気の合う女友達。
可愛いくせに気取らず、サバサバしてかなり付き合いやすい。
「今度はどんな子だったの?」
「・・隣町の学校で・・ちょっとおとなしめの可愛い子」
「あっははvそれは無理でしょ」
「おいっ!」
いつものことだけど、理緒には慰めという言葉がないらしい。
でも変に気遣わない理緒の態度に救われてる気がして。
フラれた後なのに、いつも大して傷ついてねーんだよな。
「まぁまた次の人を探せばね〜」
「そんな簡単に見つかんねーって」
「本当にね・・」
少しふて腐れ気味にそう言えば、理緒は小さく微笑んだ。
ドキ・・・
「っ・・・///」
不意打ちの笑顔に、俺の心臓が高鳴った。
おかしい・・どうした、俺の心臓!
「さてと、あたしはちょっと行ってきます」
「?何か用事あんのか?」
「リョータもからかったことだしね〜」
「おい!」
俺の質問に答えることなく、理緒は笑いながら小さく手を振って教室を出て行った。
本当に何か用があるのか?
俺は胸が高鳴ったまま、理緒が去った教室のドアを見つめていた。
.