□ Dream
□Existence
1ページ/2ページ
「バクラってほんと、キレイだよね」
こんなことを言ったって、バクラが喜ぶはずがないのは分かってる。彼からすると、むしろ気に障るのかも知れない。
だって、彼の体は自分であって自分でないのだから。だけどあたしは目の前のバクラを見ていて、つい口にしてしまった。
「色白いし肌もキレイだし、髪もふわふわ」
「あー。オレの宿主サマはキレーだからなぁ」
笑うわけでも怒るわけでもなく、バクラは無関心な言い方をする。ただあたしの本音を言っただけだから、別にいいんだけれど。
だって本当にキレイなんだもの。
「全部キレイだけど、一番好きなのは、目かな」
「ほぉ。宿主サマに言ってやれよ」
「この目はー、どう見たってバクラの目。獏良くんの目はこんなに鋭くないよ」
「あーあー分かった分かった。そういうことにしておいてやるぜ」
「…心にもないことを」
軽く流されても仕方がないことを言っているんだと思う。でもこれも本当に思ってること。
それに、今その目であたしを見ているのは獏良くんじゃなくて、バクラでしょう?
それだけは、確かだよね。
.