日記帳
□【○月△日〜目隠し鬼ごっこ〔弥彦版〕〜】
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既に鬼の剣心に捕まり、縁側であやめちゃんとすずめちゃんと手を繋いで足をぷらぷらしていたところ。
ふと、視線を変えると家の外へ逃げて行く薫を追う目隠しをした鬼役の剣心。
そんな二人の背中を目にしてしまった、俺。
あぁ、ありゃぁ…暫く二人で戻ってこねぇなぁ…いい大人が揃って鬼ごっこに本気になって…。
そんな事を思っていれば…。
「ねぇ、弥彦ー。剣にーぃは?」
右の手を繋いでいたあやめちゃんが俺を見上げて言う。
「・・・。」
何て答えんだ…俺?
「ねぇ?けんにーぃたんは?」
左の手を繋いでいたすずめちゃんに問われ目が合う。
どーすんだっっ、俺?
何て答えればいいんだよっっ!
「…って。えーっと。」
言葉に困る。
きっと…たぶん…薫を捕まえていちゃついてるだろう二人。
まさか、真っ昼間の御天道様の下で誰の目に止まるかも分からねーから、やらしー事はしてねーだろーけど…この二人には本当の事は言えねぇし…。
「ねぇ、薫おねーちゃんは?」
さらにあやめちゃんが質問攻めてくる。
「かおるねぇーたん。」
それに続くすずめちゃん。
「ねぇ、ねぇ、弥彦ー。」
「ねぇー、やひこー。」
二人にくいくい手を引っ張られ益々困ってしまう。
あーっ!どーすんだぁ!俺!
「たぶん…きっと…、………あっ!薫が早くてまだ捕まらねーんだよ。きっと!」
まだ不満そうな二人。
「えっと…そうだ!二人ともお腹空いてないかっ?何か、玄斉先生とこでおやつ食べよう!なっ?」
何とか気を引こうと二人を誘う。
「おやつー!」
「おやつー!」
上手く二人の気を薫と剣心から背けた。
あぁ。
本当に、本当に世話が焼ける大人達…。
〆
せんちめんたる春の『桜並木口』の【剣心・薫ちゃん版】も御覧下さい☆