日記帳
□【○月○日〜馬に乗れた日〜】
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その事も少し忘れ掛けていた数日後。
「薫殿、弥彦。只今、戻ったでござるよ。」
朝から何処かへ行っていた剣心が夕方に帰って来た。
「おかえり、剣心。どこ行っていたの?」
薫は乾いた洗濯物を畳んで居た。
俺は薫の言いつけで薪割りをしていた。
「薫殿、弥彦。良い知らせでござるよ。」
にこにこしながら剣心が言う。
「何だよ、剣心。」
俺が急かす。
「何?剣心?」
剣心の笑顔に薫も知らせが気になる様子。
「馬を貸してくれる御仁が見付かったでござるよ。」
薫の隣に腰を掛けながら剣心が言った。
俺と薫が顔を見合わしてから。
「本当?本当なの!?剣心っっ!!」
薫が剣心に飛び付いた。
「おろぉ〜かっ、かぉるどのぉ〜くっ、ぐる゛じぃ゛〜でござるぅ゛〜。」
剣心が情けない声を上げた。
薫が剣心の着物を掴んでゆさゆさと剣心を揺らしていた。
「えっ?あっ!剣心っっ!!」
「落ち着くでござるよ。薫殿。」
「ごめんなさい…。つい…。それで?剣心、誰なの?」
「うん。拙者の昔の知り合いでござるよ。」
「で、いつなんだ?剣心!」
やっぱり嬉しくて。
「明後日にでも行ってみるよう。弥彦。」
「じゃあ、皆で行きましょう♪」
薫は何か楽しい事を思い付いた様に言う。
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