私がどれだけ貴方を好きか貴方は知らないんだね。
ディーバの森。
此処は空気が良いし私の大好きな場所。
同時にあいつが好きな場所でもある。
何か癪だけどね。
半分は嬉しいよ??
だって大好きなあいつと同じなんだから。
『静か…』
歩く度に風が吹き抜ける。一歩一歩踏み締めながら木の上を見つめる。
いつの間にか此処に来るとあいつが居ないか捜すようになった。
((ほらぁ、やっぱ居た…))
『何してるの??』
「今日も来てたのか??」
『あんたの鼻なら私の匂いとか分かるんじゃないの??』
「…まぁ気付いてたけどさ」
よっ、と云いながらアポロが飛び降りてくる。
ほんと動物みたい。
自然にくすっと笑みが零れた。
「何笑ってんだよ」
『別に。アポロって何か可愛いなと思って』
「…馬鹿じゃねーの」
可愛いとか云われても嬉しくねぇ、と口では云いつつもアポロの頬は真っ赤に染まっている。
シルヴィアはそんなアポロを抱き締めたくて抱き締めたくて仕方なくなって。
アポロはシルヴィアを支えきれなくてその儘地面に倒れ伏した。
「いってぇー…急に抱き着くな馬鹿!!」
『だって可愛いんだもん』
「…ったく」
はぁー、と溜め息を吐いてアポロはシルヴィアの髪に手を添える。
髪を撫でるアポロの手は心地好くて眠気を誘う。
「こんなとこで寝るなよ」
『気持ちいから仕方ないわよ』
「ガキみてぇ」
『ガキで結構』
ぎゅう、とシルヴィアは更にきつくアポロにしがみついた。
「今日はやけに甘えてくるな」
『そんな気分なの』
「………顔上げて」
シルヴィアが身体を起こすとばっちりとアポロと眼が合う。一瞬どきりと心臓が鳴る。
アポロに頭を引き寄せられ何かが唇に触れた。
突然のコトで驚きを隠せなかったが確かにキスをされた。
「可愛い…」
『ま、真似しないでよ!!』
「ほんとのこと云っただけだろ」
『………今凄いキスされたくなった』
「したとこだろ」
『あんな短いのじゃなくて…その…』
「…我儘」
アポロは一度短くキスをするとシルヴィアが息を吸い込むのを見計らって再び口付けた。
『ん…』
アポロの舌がシルヴィアの歯列をなぞる。
何度しても慣れないキスはシルヴィアから徐々に思考を奪い始めた。
唯自分も舌を絡める。
それ以外のことを考えることは無い。
と言うか考える暇も無い。
『…っ!?』
不意にアポロと上下が入れ代わられてしまう。
地面に押さえ付けられて力までもが奪われる。
酸素を求めようと顔を背けてもアポロにすぐに制止される。
酸素が回らないから考えられないのか、なんて今更ながら気付く。
でもいい加減離してくれないと本当に死んでしまう気がした。
残り少ない力を振り絞ってアポロの顔を引き剥がした。
名残惜しく残された銀糸がぷつりと途切れる。
「…んだよ、今のでそこまで息上がったのか??」
そう言う本人も多少は上気気味なのだが。
『はぁ…煩い…』
まだ残る貴方の温もりがとてつもなく愛おしい。
2008.06.19.
テスト期間中に描きました。
何故か急に描きたくなったんです。
なので「文脈おかしいだろ」+「シルヴィ-又はアポロのキャラ違うし」と言うクレームは一切受け付けませんよ((←ウゼ