DUMP
□青い記憶
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「ヨザックの瞳って綺麗だよね」
そう言われるのが、好きだった。
★青い記憶★
愛しい人の肩に手を置く。
それだけ。
いつもやっている事だ。
なのに・・・。
「触らないで」
その一言と共に、手を払われる。
何故?
そんな疑問を読み取ったのか、冷たい目で睨みつけながら言われる。
「君みたいな人の手に触られたくない」
「ど、どういう事ですか?」
「さあね。自分の胸に聞いてみれば?」
そんな事を言われたって、わからないものはわからない。
「教えて下さいよ、お願いします」
背を向けている彼に、もう1度手を伸ばす。
「触るなって言ってるだろ!」
振り返りざまに手を叩かれたオレは、さすがにムッとした。
「オレにどうしろって言うんですか!」
声を荒げたオレに驚いたのか、少しだけ目を見開く。
すぐに元に戻ったけれど。
「気に食わない事があったのなら直します。でも、何がいけなかったのかわからないんだったら、直しようが無いじゃないですか」
「君が自分で気付けないなら、意味が無い」
そう言うと、猊下は部屋を走り出てしまった。
◆◇◆