TROVADOR

□別れを越えて
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幸せと思える日々は、唐突に終わりを告げた。
始まりは、一通の手紙。
送り主は、『大シマロン』。
交換留学という名目の、眞魔国の弱みを握る為の作戦。
その地、カヴァルケードに向かおうとした陛下を止めたのは、オレの上司である、フォンヴォルテール卿グウェンダル閣下。
閣下は、ある思いを胸に抱き、シマロンへ行く決意をした。


部下であるオレは、もちろんそれについて行く。
帰って来る事など不可能と思われる仕事。
けど、嬉しかったのは、閣下を裏で支える役目に、オレを選んでくれた事・・・。

+別れを越えて+



思ったとおりだ。
船から降りてすぐ、警護についていた兵たちが閣下と離された。
近くの木の上からその様子を見ていたオレは、事前に決めていた策どおりに馬車の後をついて行った。

◆◇◆
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