長編 ひまわり(水戸)
□18話
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(ぁ…)
名無しさんが急にソワソワしだした
「どうした?」
三井が問い掛けると名無しさんは申し訳なさそうに口を開く
「ちょっと…シャワー浴びたくなったんで…すみません、また遊びに来て下さいね」
そう言うと名無しさんは三井を残し慌ててリビングを出て行った
(…これか…)
三井は洋平が言っていた事を思い出した
突然シャワーを浴びに行き体を洗い続ける
それを一日に何回も
三井は頭を抱えた
「俺はバカか…!」
(何があいつの力になれてるだ…あいつの傷は深いんだ…!俺が傷を癒せるなら水戸がとっくにやってるじゃねぇか)
ぐっと拳に力が入った
三井は名無しさんがシャワーから出て来るのを待った
風呂場で一人泣いているのかと思うとたまらなかった
(…水戸はいつも…こんな気持ちで待ってたのかよ…)
眉間にシワが寄る
名無しさんの事が好きだが
名無しさんと洋平の気持ちを考えると切なくなった
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