長編 ひまわり(水戸)
□10話
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「何か…悪りぃυ」
「ううん。」
「「……」」
(あれ…何か名無しさん…)
「名無しさん…」
「ここでいいよ。もう家そこだから。」
そう言うと洋平を置いて名無しさんは歩きだした
「ちょっと待てよυどうしたんだよ?」
名無しさんの背中に言葉をかけるが返事はなかった
「なぁ…」
もう一度声をかけたとき名無しさんは走りだした
「狽ヲぇ!?」
洋平はすぐ追い掛ける
だが思いのほか名無しさんの足は速く追い付いたのは家の玄関だった
ガッ
間一髪ドアを閉められる前にドアに手をかけた
「離してよ…」
「離せるわけねぇだろ。」
洋平はドアを力ずくで開けて中に入った
「名無しさん…?」
俯いた名無しさんの靴にポタンと何か落ちた
涙だとわかり洋平は焦った
「名無しさん!?俺なんかしちまったか!?」
名無しさんは首を横に振った
「とりあえず中に入ろうぜ?」
二人はいつものソファに座った
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