長編 ひまわり(水戸)
□7話
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その頃三井は自販機でコーヒーを飲んでいた
(勉強教えてくれんのはありがてーけどあん中じゃ俺は邪魔者じゃねぇか…)
残り一口のコーヒーを飲んだ
ガコンッ
空き缶をゴミ箱に投げ入れ名無しさんの家に戻る
(ま…自分の女と男を部屋に二人きりにさせたくねぇのは当たり前か。)
自分の女──
三井の胸が痛んだ
(…考えてもしゃあねぇ。)
髪をグシャグシャっとして部屋に入っていった
「悪りぃ待たせちまっ…」
「静かに。」
洋平は小声で言うとソファを指差した
差した方を見ると名無しさんが気持ち良さそうに眠っている
「寝てんのか。」
「少し疲れたみてーだ。」
「そうか…。」
そう言って三井は座り名無しさんに目を向けた
その時洋平のケータイが鳴った
♪〜
「秤ヤ道υちょっとあっちで話してくるわ。」
「おう。」
洋平が部屋を出ていき思わず名無しさんの寝顔に見入る
(‥こんな顔して寝てんのか。)
三井は何だか切なくなった
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