長編 ひまわり（水戸）
□１話
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｢ただいま､ナナ｡｣
ナナとは名無しさんの家で飼われている犬だ
名無しさんのたった１人の家族
｢雨だから今日は散歩ごめんね｡｣
ナナの頭を撫でて家に入った
まず向かうのは電話
そして消去していない１件の留守電を聞く
ピッ─
"ピー…４月１２日午前３時３０分用件１件です…名無しさん元気？真夜中にごめんね(笑)お母さん達は元気よ｡ちゃんとご飯食べてる？お母さんはお寿司が食べたくて仕方ないです｡こっちにもあるけどやっぱり日本とは違うわ(笑)一週間後､帰ったらお寿司行こうね！"
(明日でちょうど２ヵ月…か‥)
家に帰るとまず留守電を聞く
これが２ヵ月前からの名無しさんの日課である
カレンダーに目をやった
小さくため息をついて夕飯の準備を始めた
｢今日は何にしようかなぁ〜♪｣
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