長編 ひまわり(水戸)
□1話
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「最悪…」
下校途中
名無しさんは天気予報を無視した事を後悔をしながら雨宿りをしていた
(ロッカーに折りたたみ傘あったよね‥でも陵南まで帰るの面倒だなぁ…また電車乗らなきゃなんないし…)
「はぁ‥」
ため息をつき、ふと左を見るとガラの悪い4人組が歩いてきた
(わ…何かヤだな…)
名無しさんは目を合わせない様に下を向いて4人組が通り過ぎるのを待った
「アンタ傘持ってねぇの?」
(…え!?)
4人組の1人が名無しさんに近づき声をかけた
少し怯えながら名無しさんは答える
「は‥はい…」
「じゃあコレ使いな。」
自分がさしていた傘を名無しさんに差し出した
「え‥でも…」
「俺はいいよ。あいつらに入れてもらうから。」
そう言って仲間を指差した
「あ‥じゃあ連絡先を…」
「いいっていいって。アンタにやるよ。」
「「洋平ー!何やってんだよ?」」
「あのっ…」
名無しさんの言葉を聞かず軽く手を振り
フッと笑って去って行った
名無しさんに甘い熱を残して──
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