長編 ひまわり(水戸)
□19話
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少し暗くなってきた頃
名無しさんと三井は帰りの電車の中にいた
帰りは二人並んで座席に座れたようだ
「ほんと楽しかったぁ♪誘ってくれてありがとうございました^^」
「楽しかったんなら良かった」
ニコッと笑う名無しさんに微笑み返した
──そして少し経ったとき
「Σ!!」
三井の肩に名無しさんが寄り掛ってきた
「お、おま…え…?」
名無しさんを見ると眠っていた
(寝てんのか…ビックリさせんなよυ)
三井は小さな溜め息をついた
(疲れちまったんだな。あんなにはしゃぐからだ…まったくガキだな)
そう思いながらも名無しさんの頭が落ちないように角度を変えてやる三井
ガタン、ゴトンと電車に揺られながら今日1日の名無しさんを思い返した
好きなジェットコースターにたくさん乗って昼食も好物のパスタを食べた
楽しそうにしていた
だが時折無理をしている様に見えた
(…こんな小っせぇ頭で色々考えて…苦しんで無理して…一人で…こいつは泣いてんのか…)
名無しさんの寝顔を見ると胸が痛くなった
(っ…)
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