長編 ひまわり(水戸)

□18話
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「…よう」


突然三井が訪ねてきて名無しさんは驚いた


そして三井も驚いた


名無しさんの服装に少しやつれた顔


そして胸が痛んだ



「どうしたんですか…?」

(洋平くんに聞いたのかな)


「あ…その‥」


三井は視線を落とした


(やっぱりそうだ…)


「どうぞ、何もないですけど…」


「悪りぃな」



三井はリビングに通され名無しさんが出してくれた麦茶で喉を潤した



「「……」」



沈黙を破ったのは三井


「別れたんだってな…」


名無しさんは間を置いて頷いた



「俺が首突っ込む事じゃねぇけどよ…お前は本当にそれで良かったのか?」



ドクン


名無しさんは苦しくなった


「あたし…は‥」


良かったかどうかは分からない


ただこれ以上洋平を苦しませたくなかった


そして自分が今つらいのも事実


「…これが‥お互いの為なのかなって思います…」


「…そうか‥何か悪りぃ‥こういう時何て言ったらいいかわかんねぇ‥」



三井は頭をガシガシっとかいた


「いえ…わざわざ来てくれてありがとうございます。あの…アイス食べますか?」


「あぁ、もらうよ」


名無しさんは冷凍庫からアイスを取り出した


(何か…誰かと居たら気が紛れるな)


「どうぞ」


「サンキュ」



世間話をしているとあっという間に食べ終わってしまった



「三井さん…ありがとうございます」


「何がだよ?」



「うちに来てくれたから…気が紛れて楽です‥^^」


「‥そうか^^」



三井はこんな時に不謹慎だと思ったが


自分でも名無しさんの力になれると知って嬉しくなった




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