長編 ひまわり(水戸)

□15話
1ページ/9ページ



次の日


空は快晴


名無しさんはかなり機嫌が良く鼻歌を唄いながら洗濯物を干している



すると前の道を歩く親子の姿が目に入った



「ねぇママ、今日お昼から彼氏が遊びに来るからケーキ焼いて♪」



「え!?いつの間に彼氏できたの(笑)じゃあ材料買って一緒に作ろっか^^」



「うん!!ありがと♪」



名無しさんは洗濯物に目を戻した



(あの女の子あたしと同じくらいの年かな…)



楽しそうな親子の姿を思い出す



(…あたしもお母さんと一緒にケーキ焼いたりしたなぁ。彼氏は紹介した事ないんだよね…洋平くんが初めての彼氏だから…洋平くんに会ってもらいたかったな…)



ポツポツと洗濯物に雫が落ちた



「うっ…ひっく…」




(お母さん…みんな…)




みんなが生きていたら、と考えると涙が止まらない




(泣いちゃダメ…みんなが心配しちゃうよ。寂しいけど今は洋平くんもいる。みんなに"あたしは幸せだよ"って胸はって言える。大丈夫。泣かない。)



名無しさんは涙を拭い空を見上げた



(みんな…みんなの分も幸せになるからねっ)



ニコッと笑って残りの洗濯物を干した




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ