長編 ひまわり(水戸)

□6話
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ナナが死んで一週間


洋平は名無しさんの家に夕飯を食べに来ていた


洋平のあの言葉で名無しさんは家族のみんなを悲しませてはいけない、と前向きになっていた




「え…何でだよυこの家売っちまうなんて…」


洋平は箸を止めた


「うん‥固定資産税ってあるじゃない?この家結構かかるんだよね。お父さん達が残してくれたお金はできるだけ残しときたいし大学の事もあるから…それにこの家は一年もみんなで住んでないから前の家に戻ろうかと思って。」


「前の家?」


「うん。家建てる前に住んでた賃貸マンション。問い合わせたらその部屋空いてるらしくて。あっちの方がみんなで過ごした時間が長いから思い出がたくさんあるの。あ、食べてよ?」


「あ、あぁ。」


再び箸を動かし始めた


「名無しさんちゃんが考えた結果ならそれで良いと思うぜ。」


「うん^^あっ!」



ガチャーン!


名無しさんは手を滑らせコップを落としてしまった


「あ〜υやっちゃった。」


「大丈夫か?」


二人は割れた破片を拾い始めた


「痛っ…!」


名無しさんが指を切ってしまった


「切ったのか!?」


洋平がバッと名無しさんの手を取った


「良かった、そんなに切れてな…」


洋平が顔を上げると目の前には名無しさんの顔が


「たっ…たいした事ねぇからバンソウコウ貼りゃすぐ治るな///」


「う、うん!ありがとう//」



二人は再び破片を拾い始めた



(あの日の事思い出しちゃった//)

(あの日の事思い出しちまったぜ//)




二人の距離は確実に近づいていた




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