長編 ひまわり(水戸)

□5話
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ガコン



校内の自販機からペットボトルのジュースを取り出した



(…あたし嫌な態度とっちゃったよね‥最悪だ…)



「あれ…」


ペットボトルのフタが異様に固くなかなか開けられない



(んん〜υ)







「おい。」



パッと顔を上げると手を差し出したおっかなそうな男が一人



「開けてやるよ。」



「あ‥ありがとうございます。」


(この人は確か…)






名無しさんは恐る恐る口を開いた



「あの…ミッチーさんですよね?」



「え…何で俺のこと知ってんだ?ミッチーって呼ぶって事は桜木の連れか?」


フタを開けた三井は名無しさんに聞いた


「いえ!桜木くんの友達の洋平くんと友達です。さっき洋平くんにみんなの名前教えてもらったんで…」


「そうか。そういえばお前あいつらと一緒にいたなぁ。騒がしいから目に入ったぜ(笑)つーか俺ミッチーじゃなくて三井だからよ(笑)」


ジュースを名無しさんに渡しながら言った


「あっ、ありがとうございました!わかりました、三井さんですね(笑)…あれ?試合は…」


もう練習試合は始まっているはずなのに何故こんな所に居るのかと疑問に思った

「あー…今すぐは俺の出番ねぇんだ。」



「え…」



名無しさんが不思議そうな顔をしたので三井はその理由を話した



「ちょっとケンカしちまって…安西先生のおしおき中なんだよυだから少し走ってんだ。」



「そうなんですか…」



名無しさんが何と言っていいか少し困っていると声がした



「お〜い三井!そろそろ交代らしいから戻って来いって安西先生が!」


(あっ、確かメガネ君だ。)


「早くないか?戻んねぇとυじゃあな!」


「は、はい!」


三井は体育館に向かって走りだそうとした


「あ、そーだ。」



くるりと名無しさんの方を向いた


「赤木の妹‥あ、赤木ってのはうちのキャプテンな。赤木の妹の晴子って子が好きなのは水戸じゃねぇから安心しな。」

「なっ///何で…」


三井はニッと笑って走って行った


(あーあ、結構タイプだったんだけどなぁ。しかしあの子は分かりやすいぜ。)







名無しさんは三井の姿が見えなくなっても動揺していた



(何で三井さんが知ってるの!?あたし誰にも言ってないのにυ何!?バレバレなの?てゆーか晴子ちゃんは水戸くんが好きな訳じゃ……え!?晴子ちゃんてゴリさんの妹だったの!?)




名無しさんの頭は軽いパニック状態


(お、落ち着けあたしυ色んな兄弟いるよ!晴子ちゃんが他に好きな人いるって分かったし良かったじゃん!)




ジュースをぐびぐびっと飲んで体育館に戻った



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