剣姫
□3章
1ページ/1ページ
デジモンと人間が憎み合う。その全ての原因が倉田だと知らされる。大達は、先に人間界へ戻った倉田により、記憶処理を施され、デジモンのことを忘れさせられてしまった。捕えられたアグモン達は、パートナー達を助けに向かうことに。アグモン、ガオモン、ララモンは記憶処理をされた大達のもとへ。クダモンやドルモン達は、捕えられた薩摩や光希達を救いに向かう。そんな時、ドルモンはクダモンに呼び止められる
「オマエ達は、先に行け」
クダモンはポーンチェスモンとファルコモン達に先に行くように言い、ドルモンと向き合う
「何だ?ドルモン」
『・・クダモン。イグドラシルは、どうすると思う?』
「!?」
『・・隠す必要は無い。それに、前に会ってるしな。この姿ではなく。弟から紹介されてさ』
「!・・貴様、やはり」
『うん』
コクンッと頷けば、クダモンは「そうか」と言いながら、彼に聞く
「・・オマエは、どちらに着くのだ?」
『そりゃあ、知ったからね。それよりも、光希の守りたいものを俺は守りたいから。そして、俺の守りたいものも含めてな』
「・・・そうか」
『あぁ』
コクンッと頷く
『今度は、俺達もデジタルワールドに行くつもりだ』
「・・そうか。だが、オマエは良いのか?奴と」
『・・・あぁ』
「そうか。分かった」
クダモンとドルモンはタッタと走って行った。捕まっている光希達を見つけて、ドルモンはすぐに光希に抱きついた
『光希!』
『ドルモン!』
『光希、良かった!怪我はない?何処か、痛いところは?』
『フフフ、ドルモンは心配性ね。大丈夫だよ』
『そう?なら、良かった。今度は、俺がちゃんと守るから』
『・・・ぅん』
なでなでとドルモンを撫でれば、くすぐったそうにして嬉しそうに笑った。イクトは倉田を捜して、走って行ってしまい、黒崎達もそれを追う
『光希。光希は、俺と行こう』
『でも、イクト君達を』
『イクトは、黒崎達が何とかしてくれる。それより、大達が記憶を消されてるんだ』
『え?!』
『それに、たぶん、奴らは大達を狙うと思うんだ。だから、まずは、彼らの方を助けに行こう』
『うん。分かった!』
ドルモンは、DATSのビルの外に出るとドルグレモンへと進化して、光希を乗せて、公園へ向かう
『!・・光希、背後から』
『えぇ。分かってる』
彼女は、スッと手に木刀を持つ。それはデジソウルを纏った。ドルグレモンは少し嫌な予感がした
『・・ね、光希。俺に、任せて良いんだけど;;』
『ずっと閉じ込められてて腕が鈍りそうなのよ、ドルグレモン』
『えぇ〜;;』
『一気に上昇して』
『・・・ぅん。分かった;;』
ぐんっと一気に上昇すると背後から迫るギズモンATは上を見上げるが太陽の光でドルグレモンは見えない。光の中から黒い影が見えたがそれはドルグレモンではなく、木刀を振り上げている光希
『はあぁぁぁ!!剣聖流・弐の型!疾風!!』
振り下した木刀からは、剣圧がデジソウルの風圧となり、ギズモンは真っ二つに斬られた。彼女が落下する真下にドルグレモンが現れて、その背に彼女は降り立つ
『・・光希、本当に凄いね;;』
『まだまだよ』
そう言って、彼女は笑った。剣聖流。それは、彼女の家に代々伝わる流派であり、彼女の父親がそれを継いでおり、それは、祖父から受け継いだもの。彼女もそれを祖父から幼い頃に一通り習っていた
『・・・ね、光希』
『なに?』
『今度、さ。俺にも教えてよ』
『・・・でも、ドルグレモン、どうやって持つの?木刀とか』
『・・・え、と・・・ほら、俺なりに、色々とアレンジして』
『ん〜・・じゃあ、もし、ドルグレモンが究極体になった時、持てそうだったら、教えてあげる』
「えぇ〜・・今は〜?」
『見稽古ってあるのよ。百聞は一見に如かずってね。口で説明するより、見た方が役に立つし、見ることで見よう見真似で覚えていくことだってあるのよ。現に私もそれで覚えたし』
『そっか!じゃあ、光希の技見て、いっぱい覚える!』
『フフフ、うん。頑張ってね』
『うん!』
ドルグレモンは、バサッと翼を羽ばたかせて、飛行し、ギズモンATを記憶を取り戻して、倒した大達と合流した
『大!』
「!光希姉ちゃん!無事だったんだな!!」
『私がそう簡単に負けるわけないでしょ』
『ぅん。光希、凄かったよ!追手の良く分からない奴をスパって斬ってさ!』
「良く分からない奴って・・まさか、ギズモン?!」
「光希さん、ドルグレモンの言うことは本当なんですか?!」
『えぇ。家の流派で。木刀にデジソウルを纏わせたら、威力絶大だったわ』
「流派って;;」
「光希姉ちゃんのとこには、ずっと伝わってる剣の流派があるんだよ。え、と、なんてったっけ?」
『剣聖流よ』
「なっ?!あの、剣の流派の中で最もあらゆる面に対応し、だが、最も習得するのが難しいと言われる、剣聖流ですか!?」
『家は、その流派の直系だから』
「・・剣聖流。自然界の技が組み込まれていると言われているというが、まさか、その後継者がこんな身近に;;」
唖然としているトーマ。大は「やっぱ、姉ちゃんのとこはスゲェな!」と言っていて、淑乃は「凄すぎて、何も言えないんですけど;;」と呆れ気味だった。皆でDATS本部ビルへと向かうとイクト達がやってきて、大達に逃げろと言うのと同時に本部ビルが爆破され、大達は、デジタルワールドへの道を断たれてしまった
To NEXT