ロイヤルナイツの姫君
□4章
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光希はドルガモンと世界樹内に居た。目の前にサングラスを掛けた人間の男が現れた。ドルガモンが前に出る
「なんだ!オマエ」
「・・君は」
「む・・そうか。オマエが」
『え?』
見れば男の肩には襟巻のように彼の肩に乗っている白いデジモンを見つけた
『誰?』
「・・そうだな。私とは初めてだな。薩摩」
「うむ。デジソウル・フルチャージ」
すると白いデジモンは究極体へと進化した。馬の様な外見、レッドデジゾイドを身に纏ったデジモン
『・・ス、レイプ、モン?』
「・・・初めまして。というべきかな?光希」
『・・えっと』
すると外で爆音が聞こえた
「何だ!?」
「スレイプモン!」
「分かっている」
スッとスレイプモンの手が光希へと伸びてくる。逃げようとしたが捕まりドルガモンも同じく捕まってしまった
「離せッ」
「少し大人しくしていてくれ」
スレイプモンは世界樹を飛び出した。外に出ると世界樹の傍で今、4人の人間とそのパートナーデジモン達に止めを刺そうとしていたロイヤルナイツ達の前に躍り出ると4人とパートナーデジモンを連れて、飛び去った。デュークモンのファイナル・エリシオンが直撃するが彼らは人間界へ逃げ遂せたようだ。その時、オメガモンはピクッと何かに反応するように顔を上げた
「どうした?オメガモン」
「・・いや、今・・光希の声が」
「光希の?」
「・・!・・まさか!」
オメガモンは世界樹内へと向かおうとしたがイグドラシルによって止められた
「イグドラシル!?」
「行かずとも良い。光希はスレイプモンが連れ去った」
「なっ!?」
「良い機会だ。彼女がどちらを選ぶのかを見るにはちょうど良い」
「・・・それは」
「彼女が此方を選べば良し。そうでなければ、人間界もろとも消去しろ」
「!」
「良いな?」
「・・・・・・我が主の、意のままに」
スッとオメガモンを含めて、ロイヤルナイツは頭を下げた。オメガモンは忌々しそうに世界樹内を歩いていた。時々、角などでピタッと足を止めたりしながら、部屋へ辿り着くと拳を壁にガンッ!と叩きつけた
「ッ」
「・・・オメガモン」
「・・デュークモン」
「彼女のことだ。考えるまでも無いであろう?」
「・・・そんなことッ、分かっている!」
「・・オメガモン」
「・・・・・・」
「・・とにかく、このデュークモンがまず先発として、これから向かうことになっている。だから、任せておけ」
「・・デュークモン」
「このデュークモン、必ず、光希を取り返して来よう」
「・・・あぁ」
デュークモンはタッと部屋を出ていった。オメガモンは、溜息を吐く。いつもなら、笑顔で自分の名を呼び走り寄ってくるのに。それが無い。彼女が来てから、この姿・・人の姿で居ることが多かった。だが、と思い、忌々しそうな表情をして姿を基の姿へと戻した
「・・・光希」
オメガモンは、この場に居ない彼女の名を呟いた
大門大達は、人間界に戻ってきていた。彼らは、スレイプモンや薩摩隊長が連れてきた少女が気になっていた。彼女はグルルッと此方を睨んでいるドルガモンに守られて眠っている。ドルガモンは退化したクダモンに言う
「・・・スレイプモン、どうして、俺達を連れてきたんだ」
「・・本来、彼女のいるべき場所は此方だ」
「本来とか、そんなことは関係ない!この世界に、光希の居場所は無いんだから」
「おいおい、話がみえねぇぜ。どういうことだよ!隊長!」
大は、薩摩隊長に聞くと彼は訳を話した。彼女はイクトと同じようにデジタルワールドに迷い込んだ子どもであり、また彼女もイクト同様にとある博士夫妻の子どもだという
「士騎聖博士の子どもなのだ」
「士騎聖・・まさか、あの士騎聖光哉博士ですか!隊長」
「なんだよ、トーマ」
「そんなに有名なの?その博士」
「あぁ。士騎聖博士は、異世界研究の第一人者だ」
「そう。デジタルワールドを発見したのも彼だ。そして、倉田の話では、時空振動爆弾の理論も彼だ」
「なんだって?!」
「ただ、時空の壁への影響を考えて彼は、この理論を発表せず、消去しようと思っていたらしい。でも、士騎聖博士は、夫妻ともども事故死しているが、それも倉田が仕組んだことらしい」
「何だって!?」
「奴は、その理論を手にいれる為に士騎聖夫妻を事故死に見せかけて殺したんだ」
「なんて奴だッ。あの野郎」
バシッと大は拳を目の前で掌に打ち付ける
「その時にデジタルワールドに迷い込んでしまったらしい。その原因は今も分かっていない」
「それが真実であっても、光希の居場所は此処じゃない!ロイヤルナイツの」
「ロイヤルナイツ!?なんで奴らが」
驚く大達にクダモンが話す
「ロイヤルナイツのオメガモン。オマエ達も見ただろう?オメガモンはロイヤルナイツのリーダーなのだが、彼女を最初に見つけたのが奴であり、イグドラシルは人間の生態を知るという理由で彼を中心にロイヤルナイツに彼女の育成を任せたというのだ」
「そうだよ。光希は、オメガモンとデュークモンが中心となってロイヤルナイツに育てられた。光希の居場所はロイヤルナイツの、うぅん、オメガモンの傍だ。この世界に」
「士騎聖博士の父親は存在している。この世界にも彼女の居場所はある」
「・・そんなこと知らない。光希は」
彼女が目を覚ますとすぐにクダモンに「帰してほしい」と言う
「光希、君は人間だ。それにこの世界には君の血縁も居る」
薩摩の言葉にも彼女は耳を貸さない。ただ、「帰して」というだけだ
『帰してよ!光希の場所は此処じゃないッ・・・・・帰して・・オメガモンの処に帰してよッ!』
そう言う彼女はタッとその場から逃げようとした。それを大が捕まえる
「ちょっと、待てよ!」
『ヤダッ!離してッ!』
「そうはいかねぇ。それに、血縁が居るんなら、会えってんだよ」
イクトは以前、自分のことでの彼を思い出す。トーマ達もそれを知っているから「やれやれ」と言った顔だ
「とにかく会え!心配してるはずだ!それでも居場所がねぇとかいうんなら、イクト同様にこの大門大様が面倒見てやる!」
『!・・だいもん、ま、さる?・・・』
「ぁ?」
『貴方は、大門英のなに?』
「?なんだ?父さんを知ってんのか?」
『父、さん?・・貴方が』
「・・あぁ。それにしても、父さんは一体どうしちまったんだ!」
「大門博士は変わってしまった」という薩摩隊長。ちょうど其処にやって来た知香達。今、大は妹の知香や母の小百合を連れて、外に出ていた。光希は秘密基地の隅で蹲っている。その隣に居るドルガモンは心配そうに彼女を見る