短編
□犯人は・・・
1ページ/3ページ
ある森の中を1人の魔法使いの青年が歩いていた。紅いマントを靡かせて、ゆっくりと進む
「ん〜♪朝の森も良いよなぁ〜♪」
そう、彼は今、朝の散歩に来ていたのだ。だが、忘れてはならない。本来なら立ち入ることを禁じられている森。最も、それは近くの学校で生徒に対してではあるのだが、教師といえど、むやみに立ち入ったりしない。魔法生物が住まう森。中には危険な生物も居るのだが
「ん?・・・あ!お〜い!」
手を振りながら、近づく。その先には、溜息を吐いているケンタウロス
「・・・はぁ;;」
「?!ちょっ?!会っていきなり溜息って!?」
「・・何をしている?」
「え?森の散策」
「・・・紅獅子」
「ん?」
「此処は何処だ?」
「え?俺達の学び舎、ホグワーツの禁じられた森」
「本来なら、教師ですらこんな奥まで来ない」
「えぇ〜、何、来ちゃダメとか?そう言うなよ〜、サラザールは来てるくせに〜」
ぶーぶーと子どものようにケンタウロスに抗議している彼に溜息を吐く
「それに、俺、魔法生物飼育学教師だから問題無い無い♪」
「・・・はぁ・・・そもそも、オマエ達一族にこのようなことを言う方が無駄か」
「・・・おい、それどういう意味だ。ていうか、一族って、何て言われてるんだよ;;」
「有名なのだぞ?我等、生物の間では」
「だから、何て・・」
「自由奔放、勝手気ままなグリフィンドール。別名、嵐の獅子」
「・・・ねぇ、俺、どっから突っ込んだら良い?ていうか、自由奔放?勝手気ままって;;」
「・・・あぁ、スリザリンも言われているな」
「何て?」
「野望と野心のスリザリン。別名、忍び寄る闇」
「・・・サラザールは」
「彼らは特殊だな」
「彼ら?」
首を傾げる
「月蛇と黄昏蛇のことだ。彼らに対しては、我等は警戒心は持たん」
「そっか♪・・ぁ、やぁ♪「アリシア」♪ホント、君は綺麗だね♪ユニコーンの中でも特に♪」
ケンタウロスと話していて、傍によってきたユニコーン「アリシア」の綺麗な鬣を撫でると横から、頭を小突かれた
「うぉっ?!あぁ、「ウィン」。頼むからさ、挨拶代わりに頭小突くのやめてくれっていつも言ってるだろう?」
「ヒッポグリフが挨拶無しに懐くのは珍しすぎる」
「あぁ〜、皆からも言われる〜」
「・・・ぁ」
「ん?どうし・・」
「・・・此処に居たか」
「・・・・・・;;」
背後から、暗い声が聞こえて、彼はピタッと止まり、ぎこちなく振り返る
「・・・ぁ、や、やぁ・・サラザール;;」
「・・・・・・」
「・・ぁ、あのっ;;」
「ゴドリック・グリフィンドール」
「ッ、は、はいッ!」
「今日は何があったか、覚えているのか?」
「ッ・・・え、えぇ〜と;;」
「忘れていたな?」
「あのっ・・えっと、さ;;」
「忘れていたのだな?」
「・・はい。ごめんなさい;;」
「・・・はぁ。ゼファルト、馬鹿獅子が迷惑を掛けた」
「なっ?!ば、バカって」
「いや。問題は無い。あぁ、そういえば、先に探していた植物だが、つい先日見つけたぞ」
「ふむ、では近々採りに行こう」
「あぁ」
「・・・ねぇ、何?君達のその仲の良さは」
「「気にするな」」
「・・いや、気にする・・」
「ゴドリック、さっさと来い。戻るぞ」
「ぅっ?!・・・はぁ〜い;;」
観念したようにゴドリックはやって来たサラザールと共にホグワーツへ帰っていった。その日、ゴドリックは(主にヘルガから)説教をくらい、自室へ帰って来た
「はぁ〜・・別に良いじゃん。ホグワーツのことに関するっていうより、茶会だったんだし〜・・・まぁ、約束してたから、俺が悪いんだけど。でもなぁ〜」
はぁっと溜息を吐き、ふと、テーブルの上に置かれている飲み物に目が行く
「?なんだ?俺、こんなの置いた覚えないんだけど〜・・・ん〜、忘れたのかな?ま、良いや♪喉渇いてるし♪」
と飲み物の入ったグラスを手に一気に飲み干して、すぐにベットですやすやと眠ってしまったのだった