僕らのデジタルワールド
□2人の聖騎士と最愛の姫
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光希は、ロングスカートを着て、手首には2つのブレスレットを付けた
「じゃあ、行こうか」
スッと彼に触れれば、彼の大きさが変わり、彼女が抱えられる程の大きさへと変わった。彼女は彼を抱えて、スタスタと部屋を出て行った。
お台場のパレットタウンにフワリとデジタルゲートを開いて、黒髪を肩下程度に伸ばし、漆黒の服装で裏地が蒼い純白のマントで身を包んで彼は現れた。地面に着地すると、マントをバサッと翻してから、キョロキョロと辺りを見回して、から彼は上を見た
「・・・やれやれ。別の日にするべきだったか。仕方ない。早く捜すとしよう」
タッと彼は歩き出した。その頃、光希は純白の彼を抱えたまま、パレットタウンに来ていた。すると敷地内への避難警報のアナウンスが流れる
「・・・なんか、ヤな感じがする・・・アルファート、何処?」
すると何か大きなものが落ちてきたような音と振動に彼女はバランスを崩し倒れかける。そこを何とか耐えると目の前を芽心がオレンジ色の猫のようなものを抱いて走り去っていった
「・・・今の、望月さん?」
足音のような地響き。彼女が走ってきた方を見れば、アルファモンが見えたが大きさが巨大だった
「!・・違う。貴方は、なに?」
すると巨大なアルファモンがチラリとこちらを見たが、尚も歩みを続けてきている。彼女の真上の屋根が崩れてきた。その時、彼女の名を叫び、庇う様に腕に抱いて、飛び退く黒い影。彼女が目を開けると其処に居たのは
「!アルファート」
「怪我はないか?」
「ぅ、ぅん」
ホッと安心してから、彼はキッと上を見上げて巨大なアルファモンを睨みつける。アルファモンの方はチラリと視線を向けただけでまた歩き始めた。彼は、視線を彼女に戻すとお姫様抱っこで抱え上げる
「・・・ぁ」
「しっかり掴まってろよ」
タッと彼は走る。パレットタウンから出ると巨大なアルファモンもそこから出たらしく、選ばれし子ども達のデジモンと対峙していた。其処の上空に姿を現したのは
「!・・オメガ、モン」
「あぁ。選ばれし、子どものオメガモンだな」
彼女はチラリと腕の中で眠り続けている純白の彼へ視線を向ける。2体の衝撃波が此方に向かってきたので、彼女を抱える彼は、彼女を護るようにマントで包む。彼女はマントに包まれて外の様子が見えないが、爆発音と爆風が過ぎ去ったかと思うと上の方で自分を護っていた彼が「逃げたか」と呟いて、マントを彼女から離す。其処に巨大なアルファモンの姿は無かった
「居ない」
そう呟いたのと、遠くに居た空が「危ない!」と叫んだのは同時。上を見れば、パレットタウンの外壁が崩れて来ようとしていた
「!」
ギュッと彼女は瞳を閉じると彼が彼女を護るように立つとスッと手を上に広げた
「デジタライズ・オブ・ソウル!」
魔法陣を展開させて落ちてくる瓦礫から彼女を護る。遠くで子ども達が唖然としていると彼はチラリと子ども達を見る。驚いた顔をする彼ら。ヤマトが「また現れやがったのか?!」と言うのでチラリと自分を見れば、いつの間にか元の姿に戻っていたらしい
「・・・チッ。光希、行こう」
「ぁ、ぅん」
彼女は彼にピッタリと寄り添うと優しく抱え上げられる。彼は彼女を抱えていない方の手でパチンッと指を鳴らすとゲートを開き、その中へと入って行った
「・・あのデジモンが抱えてたのって」
「士騎聖さんじゃなかった?」
彼らの呟きに明確な答えは出なかった。彼女の住んでいるアパートの屋上にゲートが開き、彼女を抱えて彼は、其処に降り立った。彼女をゆっくりと下すと姿を再び人へと変える。屋上を下りて、彼女の部屋へ行く。鍵を開けて中に入り、彼女は抱えていた彼の服の埃を掃うとベットへ寝かせる。その彼を見ていたら、後ろから優しく抱かれた
「アルファモン」
「・・名前」
「・・アルファート」
「んっ」
すりっと摺り寄ってくる彼にくすぐったくて、フフッと彼女は笑う
「・・光希は、やっぱり、笑ってる方が良いな」
「え?・・・っ///」
「はは、顔、紅いぞ」
「っ、か、からかわないでよぉ///」
「ハハハ、ホントに、光希達と居ると楽しいな」
「え?」
「・・・それよりも、完全に気づかれたな」
何とは言わない。それは、彼女も分かっていた。彼を寝かせたベットに腰掛ける
「・・・・・・ぅん」
「・・彼らも住んでいるのか?此処に」
「え?ぁ、ぅん。一部だけど」
「・・・そうか。明日、学校、だよな?」
「・・・ぅん。同じクラス。しかも、席が隣、なの」
「・・・そうか」
俯く彼女。彼らのことだ、アルファモンである彼と傍に居ることを聞いてくるだろう。もちろん、それ以外のことも
「・・・光希」
「なに?」
「学校、さ・・俺も行くよ」
「え?」
きょとんとしている彼女にアルファモンことアルファートは安心させるように頭を撫でながら言う
「俺は、君を・・君達を護りたくて、来たんだ」
「アルファ、モン?」
「・・・」
彼は、ただ、フッと笑って、彼女を撫でた
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