僕らのデジタルワールド

□2人の聖騎士と最愛の姫
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ベランダへの扉は開けられている為、そこから吹き込む風がベットの上で寝る人物の純白の布を靡かせるその人物は起きる気配は無く、傍で寝て居た者のみ目を覚ました


「・・・んっ」


長い髪が彼女が起きたことでぱさっと寝ている人物の胸に落ちる。彼女はジッとその人物を見つめる


「・・・ファイラス・・・ねぇ・・・っ」


名を呼び、話し掛ける。少し彼を揺するが起きる気配はない。彼はただ、そこですやすやと眠り続けているだけ。今にも泣きそうな表情で彼の頬を撫でながら、呟いた


「・・おはよう。今日も良い天気だよ」


そう言って、ぎこちなく笑った。朝食を食べて、着替えを済ませる


「・・今日から、新しい高校なんだよ。これ、新しい制服なの。似合う、かな?・・・何時か、感想聞かせてね。いってきます」


彼女は、掌に乗る大きさで真ん中に液晶画面の付いた薄水色の機械を手にして、アパートを出た


新しい高校で職員室に挨拶を済ませて、クラスで挨拶をした。彼女は同じ日に転校してきたと言う、望月芽心(もちづき めいこ)と同じクラスらしい


「え、と・・・士騎聖 光希と言います・・よ、よろしく、お願いします;;」


ぺこっと御辞儀をした。芽心の席は空の隣。彼女の席は、空の後ろに居る太一の隣だった。放課後になると彼女は、早くに帰る。部屋に帰ってくると返答も無いが「ただいま」と告げる。ベットの上の人物は変わらず其処で眠り続けていた。鞄を机に置いて、彼の居るベットに乗るとピッタリと彼に寄り添うように抱きついた


「・・・早く、目を覚まして・・貴方の声、早く聞きたい。また、昔みたいに「好き」って言って。また、優しく頭を撫でてよ・・・っ」


すりすりと彼に擦り寄る。すると彼女のパソコンにメールが届いた。それを見た光希は、それを開くとパソコン画面に黒い騎士が姿を現した


「・・・明後日?」

【あぁ。明後日、そっちに行こうと思う】

「でも、大丈夫なの?」

【・・ぅん。それより、アイツは】

「・・・」


俯いた彼女に黒い騎士は金色の瞳を細めた


【・・そうか。なら、尚更だ】

「え?」

【・・・俺は、君の力になりたい。君の傍に居たい。また、君達と】

「・・・」

【・・光希】

「ぅん。ありがとう」

【うぅん。良いんだ。それに、礼を言いたいのは俺の方なんだから】

「?」

【とにかく、明後日、会いに行くから】

「ぅん」


そして、画面はホーム画面に戻った


「・・明後日、彼が来るんだって・・一緒に、会いに行こうね」


彼女は眠っている彼に向って微笑んだ



真っ白な空間で黒い騎士は溜息を吐いた


「・・君達が俺の光。俺の存在意義だ。君達以外、何もいらない。君達の傍に居られないのなら俺に意味なんてない。俺に生きる意味をくれた。君達を俺が守りたい」


グッと彼は開いていた掌を握ったのだった






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